EU諸国が、今後ロシアに対抗してシリア政府との接触を強化し、内戦終結への努力を強めることは確実だ。
同時にEUは、難民危機の解決についてはトルコが重要な役割を果たすと判断している。トルコはEUとシリアの間に位置し、200万人ものシリア難民を受け入れているからだ。このため、EUはトルコに10億ユーロ(1400億円)の資金を供与して、シリア難民のためのキャンプを増設させる。トルコはEU加盟や、トルコ人がビザなしでEU域内に旅行できるようにする措置を希望してきたが、EUはトルコ国内の政治情勢などのために、交渉を凍結してきた。だがEUは、今回の難民危機をきっかけにトルコのEU加盟交渉を部分的に再開する方針を見せている。今後欧州政局の中で、トルコの重要性は大幅に高まるだろう。