自然にフェミニズムが育まれる時代に
昨年のアメリカ大統領選では、ヒラリー・クリントンに対し、ドナルド・トランプが「マンスラプティング」を繰り返していました。これは、「man」と「interrupt(ing)」(遮る)を合わせた造語で、男性が女性の発言を遮る行動です。「explain(ing)」(解説する)を合わせた「マンスプレイニング」という造語もあり、こちらは男性が上から目線で、女性に偉そうに説教することを言います。こうしたことは造語になるくらいよくある現象です。これらの言葉を紹介すると大抵の女性たちが「ある、ある」という表情をします。これは世代を超えて共有できる経験かもしれません。『アナ雪』や『モアナ』を観た女の子たちが、王子様に幸せにして「もらう」のではなく、自分で幸せを「勝ち取る」というメッセージを受け取ることで、フェミニズムは静かに浸透し、フェミニズムの持つポジティブな力も広がっていくことでしょう。
海外では、カナダのジャスティン・トルドー首相やアメリカのバラク・オバマ前大統領のように、フェミニストを名乗る男性リーダーも現れてきています。
日本では、女性を守ってあげる男性をフェミニストと呼ぶことがありますが、これは「好意的な性差別者」と言っていいでしょう。本人は意識していなくても「守ってあげる」という上から目線は、女性を自立した存在と扱っていません。攻撃的な「悪意のある性差別者」に比べてソフトな形で女性を抑圧する存在です。
相手にも自分にも性規範や性差別を押しつけないで、女性を対等な存在としてリスペクトするのがフェミニスト。そう考えていけば、自分がかっこいい、ハッピーだと思える方法で、肩肘張らずにフェミニストを名乗っても良いのではないでしょうか。無意識に偏見を持っていたことに、後から気付くこともあるでしょう。100%正しいフェミニストである必要はないのです。気付いた時に学び直せる素直さがあれば大丈夫。
セクシスト(性差別主義者)でなければ、みんなフェミニストなのです。