ジワリジワリと変えていく
これまでは、女性の問題と捉えがちだったセクハラ問題ですが、加害者が男性であれば当然男性の問題でもありますし、男性が被害者になることも、女性が加害者になることだってあるわけです。
自分の周囲を見回すと、男性で麻生大臣のような考えの持ち主はほとんどいません。WiMNの賛助会員には男性もいます。これからはもっと理解のある男性が増えていくだろうし、セクハラ問題を「女性」対「男性」という構図で考えるのはやめて、双方が生きやすい、働きやすい社会を目指して、共に変えていけるようになればいいですね。
身内から受ける被害が多いなら、第三者的な相談窓口も必要になってくると思います。何かトラブったときなど、社内だけで何とかしようとするより、客観的に見て、判断できる弁護士や外部の専門家に相談すると、問題が整理されるし、人間関係を忖度して悩んだりせず、淡々と事が運ぶことも多いと聞きます。
いかにも「闘うぞ!」というのとはまた違った形、もっと等身大というか、それぞれが無理なくできる範囲での闘い方、応援の仕方がある気もします。セクハラをしていることに無自覚な人には、「NO」をはっきり言うことで、私の体験のように相手に変化が訪れるかもしれません。
今後も一足飛びにこの問題が解決するとは思えません。それでも、これまで声を上げてきた多くの勇気ある人たちのためにも、それに続く人が出てくることが肝心です。そして声を上げられる環境があって、声を上げた被害者を守るしくみやサポートするしくみをきちんと作ることも重要です。
例えば、LGBTをめぐる社会環境は少しずつ変化が出ており、今やカミングアウトする人も増えました。またお茶の水女子大学などが、戸籍上男性であってもトランスジェンダーの学生の入学を受け入れると発表するなど、周囲の対応も変わりました。同じように、セクハラ問題もあきらめることなく、ジワリジワリと変わっていけばいい、変えていけたらいいなと考えます。