「一般の結婚相談所はNGとしていますが、お互いの家に行ったほうがいいとアドバイスします。部屋を見れば生活感、価値観がわかるので。宿泊はNGですが、一緒に遠くまで出かけるとか、趣味を楽しんだりと、仲良くなれる活動を勧めています。恋愛結婚と違い、一緒にいてワクワクする、楽しいという感情はあまり起きないわけですが、居心地がいいとか、一緒にいて楽だとか、自然体の自分でいられるとか、そういうところを確認していくのが、デートの時間です。好きになるかどうかではなく、家族になる相手を探すわけですから」
●新しい結婚のカタチ
カラーズが定める交際期間は3カ月だが、6カ月までの延長は認めている。そこで相手と成婚するか、しないかを決めるのだ。
「一人目か二人目のお見合い相手と成婚する例も少なくありません。友情結婚を求めているお相手候補の数は少ないのですから、その中で、一人一人大切にお見合いして、話し合いに進んでください、と最初に伝えているからかもしれません」
その結果が、成婚率約39%という実績である。
「成婚率の高さには『恋愛関係がない』のと、『性的な相性を確認しなくていい』というのも、大きく影響しているかもしれないですね。恋愛結婚をしようとすると重要なネックになるポイントがふたつともないことで、冷静に判断できるのかもしれません」
友情結婚とはまさに、新しい契約結婚だ。現代の結婚は恋愛至上主義に縛られがちだが、違う形の結婚があると思えば、私たちもどこか、楽になれるのかもしれない。
自分の人生にとって何が大切で、何を守るために結婚するのか。どこに折り合いをつけて、人生をともに生きる伴走者を探すのか。「好き」という感情のために何かを譲歩する必要がない分、自身の人生観、価値観を見つめた上での結婚が、友情結婚となるのだろうか。
友情結婚は間違いなく、新たな結婚と家族のカタチを示している。
男性約26.7%、女性約17.5%
出典:内閣府「平成30年版 少子化社会対策白書」第1-1-10図「50歳時の未婚割合の推移と将来推計」
LGBTQ
性的マイノリティのこと。レズビアン(Lesbian、女性の同性愛者)、ゲイ(Gay、男性の同性愛者)、バイセクシャル(Bisexual、両性愛者)、トランスジェンダー(Transgender、身体的な性別と性自認が一致しない人)、クエスチョニング(Questioning、自身のセクシャリティについて規定しない人、規定できない人、わからない人など)またはクィア(Queer、LGBT以外の性的マイノリティ)の頭文字をつなげた言葉。