三浦 安田さんの話はいつ聞いても、知られていないことばかりだし、本当に面白いです。いまこの国では日本人と異民族の人たちが同じ地域に暮らしているのに、お互いが全然見えていない。でも、極めて身近なところに異世界の扉が開いているかもしれない、と。われわれプロのライターとしては、そういう「見えているようで、まったく見えていないもの」に出合った瞬間が一番興奮するし、それをどうやって見せていくか、というところにやりがいを感じますよね。安田さんの本を読んでから街を歩くと、身近だった街がまったく異なる風景になって目の前に現れてくるような気がして、なんだかワクワクしてしまいます。安田さんや私の作品を読んでいただくことで、一人でも多くの方がすぐそこにある「異世界」に一歩踏み出す勇気を持っていただけたら、人生はまったく違ったものへと置き換わっていくだろうし、日本も少しずつ「豊かな国」へと移り変わっていくのではないか。個人的にはそんなふうにも考えています。