世界の太陽系探査計画
世界の太陽系探査は、2000年代後半に入り、参入する国が増え、新たな展開を見せている。今やアメリカ、ロシア、日本、欧州に加え、中国、インドが探査計画を進めるほか、韓国が参入の意思を表明。さらにヨーロッパでは欧州宇宙機関(ESA)とは別個に、イギリスとイタリアがそれぞれ独自の探査機を検討していることを公表した。イギリスは長年、宇宙開発に冷淡な態度を取ってきたが、ESAの火星探査機「マーズ・エクスプレス」に搭載した小型火星着陸機「ビーグル2」で宇宙探査に参入した。マーズ・エクスプレスは03年に火星に到着し、ビーグル2を火星表面に降下させたが着陸には失敗した。
さらにイギリスは、月面に槍状のペネトレーターという観測機器を投下する探査機「ムーンライト」を2010年に打ち上げる計画を進めている。その後には、月面に軟着陸する「ムーンレイカー」という探査機構想も検討している。
イタリアと韓国は、それぞれ月や火星の探査を検討しているという段階だ。一般に探査機の開発には5年程度かかることを考えると、2010年代半ばには、最初の探査機を打ち上げるものと思われる。(
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CEV
Crew Exploration Vehicle
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LRO
Lunar Reconnaissance Orbiter
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LCROSS
Lunar CRater Observation and Sensing Satellite
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JSPEC
JAXA Space Exploration Center
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