婚活って何?
結婚活動、略して、婚活。これを「自分の魅力を高めたり、積極的に出会いの機会を作るなど、結婚を目的とした活動を意識的に行うこと」と定義しています。今、学校を卒業しても、なかなか希望通りの就職ができない状況になっています。だから、学生は、よりよい就職をめざし、就職予備校に通ったり、ネットでエントリーシートを送るなど、就職活動、略して、就活をするのが当たり前になってきました。それと同じように、現代日本では、結婚活動をしなければ、なかなか結婚にたどり着かない状況が広がっています。
結婚したいのに高まる未婚率
まず、データを見てみましょう。日本では、未婚率(結婚していない人の割合)が急速に高まっています。30歳から34歳の未婚率をみてみましょう。1975年には、男性14.3%、女性7.7%だったのですが、2005年には、男性47.1%、女性32.0%まで上昇しています(国勢調査による)。つまり、30代前半男性の2人に1人、女性の3人に1人が、独身者となっているのです。日本の未婚者の大多数は独身主義者ではありません。未婚者の9割は、いずれ結婚したいと思っているという調査結果が出ています。つまり、結婚したいけれどできなくて独身を続けている、そんな人が増えているのです。
結婚に必要な三つのプロセス
では、どうしてそんなことが起きているのでしょうか。結婚するには、異性と出会い、相思相愛になり、共同生活を始めるという三つのプロセスが必要です。今から30年くらい前までは、多くの人にとって、この三つのプロセスは、自動的に訪れる出来事でした。意識的に努力しなくても、自然に結婚できるような仕組みが整っていたのです。学校を卒業して就職すれば出会いが待っていました。職場には、正社員の独身男性と一般職独身女性が適度に混じり合い、仕事をしているうちにお互い好きになる異性ができました。職場で機会を逃しても、親戚や職場の上司などが見合いの話を持ってきてくれました。回数は少ないけれど確実な出会いがあったのです。その上に「つき合ったら結婚するのが当然」という意識が強く、若い男性の収入が安定していたので、結婚生活を始めるときの経済的不安はありませんでした。また、結婚後、男性が仕事で女性が家事という役割分業が決まっていました。だから、男女交際を始めると、何も考える必要がなく、あっという間に結婚していったのです。
結婚の機会が減ったのはなぜ?
しかし、男女交際パターンの変化と経済状況の変化が、自動的に結婚できるという社会状況を変えてしまったのです。まず、結婚相手との出会いが自動的に訪れなくなってきました。
一つは、逆説的に聞こえますが、出会いの機会が増え、男女交際が活発になったことが原因です。出会いの機会が少なければ、出会った相手が素敵に見えるものです。多くの異性と接する機会が増えると、異性を比較するようになります。結婚するにふさわしい好みの異性がそばにいるとは限りませんし、たとえいたとしても自分の好みの異性が自分を好きになるとは限らなくなるのです。まとめると、「自分の好きな異性からは断られ、好みでないタイプから告白される」というミスマッチが広がるのです。
恋愛は結婚を保証しない
また、お互いに好きでつき合ったからといって、結婚にこぎつけるまでが一苦労となりました。「つき合ったら結婚するのが当然」と言ったら笑われる時代です。恋人とセックスをする間柄になったとしても、それが結婚に結びつく保証はありません。結婚を決断する前に、嫌いになって別れることもよくあることです。そして、男性が家計を支えるのが当然という意識が残っています。この経済的不況の現在、妻子を養って将来にわたり豊かな生活を保証できる男性の絶対数が減少しています。そのような男性と結婚したくても、可能性は少ないのです。
待っていても結婚はできない
このように、待っていても自動的に理想的な相手が出現したり、恋人がいても即結婚ということにはなりません。そこで、結婚活動が必要になっているのです。結婚活動は、異性との出会う機会を増やして結婚してもよいと思う相手を見つける、出会ったときに交際できるよう魅力を高める、結婚生活が可能なように準備する、という活動に分けられます。特に、女性は、出会う機会を増やすこと、そして、完璧な相手でなくてもつき合ってみることをお勧めします。待っていれば理想的な相手が声をかけてくることはまず起こりません。女性には、理想的な男性に自分が作り変えるという気構えが欲しいところです。男性は、逆に、経済力やコミュニケーション力など自分の魅力を高める努力が、結婚につながります。