しかし、日本政府は争点外しをやめ、堂々と辺野古基地建設について真正面から問う選挙を行うべきである。
簡単に「基地賛成派」「基地反対派」と言ったりもするが、沖縄で基地の存在に「賛成」している人はごくごく少数である。「どうせ国には勝てず、作られてしまう」「それなら何もないよりは経済振興した方がいい」そんな声が基地を容認する人の中で大半を占めている。基本は「条件付き基地容認派」にすぎない。
翁長さんの遺志
翁長さんが絶対に譲らなかったことが辺野古基地反対以外にもう一つある。沖縄に対する差別に毅然(きぜん)と闘うことだ。そのためには、日本政府などに対して強い言葉をぶつけることもいとわなかった。
「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をなめてはいけない)」
「イデオロギーでなくアイデンティティー」
翁長さんが呼び起こした沖縄のアイデンティティー。翁長さんは、生前「ウチナーンチュが心を一つにして闘う時には、おまえが想像するよりもはるかに大きな力になる」と息子さんに語っていたとのことである。
本当にあるべき沖縄とはどのようなものか。
沖縄の方々が、いろいろなしがらみから解き放たれて一票を投じられる知事選となるよう心から願う。