与党第一党の自由民主党(自民党)のみが強く、他の多くの政党の力が弱い状態。「一強多弱」あるいは「一強他弱」ともいう。政権を持つ者にとっては政権運営が容易になる半面、異論が封じ込められるなど民主主義にとっては負の側面もある。2012年12月総選挙で自民党が圧勝したのに対し、野党第一党の民主党が大きく勢力を減らし、「第三極」を目指した日本維新の会(現・維新の党)なども勢力を伸ばせなかったため、衆議院における自民党の一党優位体制ができた。13年7月参議院選挙では自民党と公明党の与党が過半数を回復し参議院運営も楽になった。14年12月総選挙でも自民党が大勝して「一強体制」が強化された。自民党派閥で安倍晋三首相が所属していた町村派(現・細田派)の所属議員数は他派閥の2倍以上を占めており、一つの派閥が強く、他の派閥の力が弱いことを意味する場合もある。さらには安倍晋三政権で安倍首相と官邸(政府)の力が圧倒的に強く、自民党側が弱い「政高党低」、あるいは官邸(内閣府)のみが強く他省庁の力が弱いことを指す場合もある。