ジェット旅客機には、様々な大きさと航続力を有する機種があるが、その市場はいくつかに区分されている。基本的には大きさ(座席数)で分けられており、通常は座席数が多くなると機体規模が大きくなるため重量も増加するが、搭載燃料量が増えることから航続距離も延びる。すなわち、より大型の機種の市場は、より航続距離の長い機種の市場と言うこともできる。
最も小型の機種のジェット旅客機市場は100席以下で、地域ジェット旅客機のマーケットでもある。2大航空機メーカーのボーイングとエアバスは、この市場向けの機種を開発しないと明言しており、ボンバルディア、エンブラエル(→「エンブラエルE2ジェット」)、三菱(→「MRJ」)、スホーイ(→「スホーイ スーパージェット100」)などがしのぎを削っている。
100席以上のクラスで、最も小型なのが「単通路機」市場で、客室に通路が1本だけの機種によるマーケットである。200席強程度が上限となり、ボーイング737とエアバスA320の両ファミリーがこのカテゴリーに入る。
それよりも大型の機種が、ワイドボディー機と呼ばれる、客室に通路が2本ある2通路機によるマーケットで、この市場はさらに350席程度を境に、それ以下の中型ワイドボディー機とそれ以上の大型ワイドボディー機に細分化できる。前者にはボーイング787やエアバスA330およびA350XWBの小型タイプが、後者にはボーイング777とA350XWBの大型タイプが属する。
これらよりも大きな旅客機による市場が超大型機マーケットで、ボーイング747-8とエアバスA380が属する。なお、747-8とA380では標準客席数が100席程度違うが、ボーイングにA380に対抗できる機種がないため、この2機種を同一マーケットのものと扱っている。