本当に必要な画素数は?
「画素数が多い=高精細・高画質」と考え、600万画素よりも1000万画素、さらに2000万画素がよいと思っていませんか? 確かに、画素数は重要な要素ですが、ほとんどの方は「無駄使い」をしています。例えば、写真店に依頼して、葉書大サイズでプリントする場合、プリンターの性能(昇華型で300dpi程度の解像度)から逆算すると、カメラ側は300万画素で十分なのです。もうひとつ、極端な例ですが、パソコン画面で400×300ピクセル大の表示を前提に、写真を用意するとしましょう。この場合、12万画素しか必要ありません。不用意に大きな画素数で撮影しても、メモリーを無駄に使うだけなのです。高画質撮影には、画素数よりも、画質を左右するレンズの描写力や解像度、映像処理エンジンの違いを検討するほうが有意義であることをご理解ください。
ヘビーユーザーはココを気にする!
*望遠よりも広角?望遠性能に気を取られがちですが、これが不足していても、被写体に近づくことで解決できることもあります。一方、室内で隅々まで撮影したいとき、後ろに下がろうとしても、壁があって、どうにもならないケースが多々あります。こんなときに役立つのが、広角撮影機能です。焦点距離(28mmや24mmなど)が短いほど、より広角に撮影できます。
*レンズの明るさは?
夜間や室内など、暗い環境では、露光時間が長くなるため、手ブレや被写体ブレの原因となります。レンズが明るい、つまりF値が小さいカメラでは、同じ暗さでもシャッタースピードを上げることができ、結果、ブレに強くなります。
*撮像素子の大きさは?
撮像素子が大きく、画素数が少ないと、画素一つあたりの面積が大きくなり、より多くの光を受けられるので、感度がよくなります。結果、暗所でもノイズの少ない撮影が可能となります。コンパクトデジカメは小型化、高画素化で無理をしているケースが多いので、特に注意してください。
*シャッターチャンスに強い?
シャッターを押してから、実際に撮影されるまでの時間差をレリーズラグといいます。時間差は違和感となり、特に移動する物体や動いている物体を撮影するときには、深刻な問題となります。店頭で比較できる場合は、手ブレ補正機能をONにしたときに、違和感がないか確認しましょう。また、追尾式AF(オートフォーカス)は、動きのある被写体でも連続してピントを合わせてくれるので、例えば接近してくる乗り物や人物などを撮影する際も、再度のピント合わせの時間が節約でき、シャッターチャンスに強くなります。
*手ブレ補正はどちらの方式?
今や必須となった手ブレ補正機能ですが、光学式と電子式があります。光学式はレンズを機械的に動かしてブレの動きを相殺、制御するため、画質の劣化はありません。一方、電子式は、電子的にデータを補正するので、細部がつぶれたり、ノッペリとした画像になりがちです。最近では光学式が増え、電子式を採用しているのは、コンパクトデジカメの一部や携帯電話ですが、注意したいポイントです。
スペック数値のトリックはここだ!
*撮影画素数と記録画素数撮像素子が600万画素で、記録画素数が1000万画素という場合があります。ハニカム状の配列を持った撮像素子を用い、高度な計算を駆使して実際には1000万画素相当の映像を記録する有用な製品がある半面、安価なノーブランド品では、「1000万」をうたうためだけに、単に画素を水増しして記録する悪質なモノもあるので注意が必要です。
*ズーム倍率と望遠の度合いは違う
ズーム倍率が大きいと、望遠性能が高いように感じませんか? ズーム倍率とは、単に望遠側の焦点距離を広角側の焦点距離で割った数値で、望遠性能自体を示すものではありません。例えば、「カメラA(24~240mm)」と「カメラB(50~400mm)」があるとします。A のズーム倍率が10倍で、Bのズーム倍率が8倍と計算できますが、望遠性能は、最長焦点距離が400mmのBの方が高性能となります。
今の製品の完成度はどれぐらい?
画素数競争も落ち着きを見せ、総合的な画質を問われる時代となり、成熟の域に達したといえます。今後は、デジタルカメラならではの便利機能やアイデア機能が、選択のポイントとなりそうです。例えば、最近話題の「笑った顔に反応して自動撮影する機能」は、フィルム時代には考えつかなかった好機能といえます。顔を認識する機能については、さらに研究が進み、次は「集合写真で全員が目を開いているとき」を検出して自動撮影する機能も登場しそうです。高速連写機能も著しい進化を遂げており、連続撮影をした後に、必要なコマを切り出すスタイルも生まれそうです。例えば、バットが打球を捉える決定的瞬間など、プロでも難しい撮影が、誰にでも簡単にできるのです。ストロボを必要とせず、肉眼で見たままのナチュラルな映像が残せるような機能の登場も期待されています。()()