商品の多さに、途方に暮れたら!
洗濯機選びで重要なのは、洗濯物の量に適した「容量」です。大き過ぎると水や電気が無駄になり、小さ過ぎると洗濯回数が多くなって、水と電気が無駄になります。そもそも、カタログに表記されている「6.0kg」などの容量表示は何を意味しているのでしょうか。これは、JIS規格で「一回に洗濯できる最大の洗濯物の乾燥状態での質量」と規定されています。この「乾燥状態」が商品選びの最初のポイントです。一般に、最大容量の80%くらいを目安に洗濯物を投入すると、電気も水も、最も効率がよいとされています。肝心の家族構成と推奨容量ですが、家電各社ではおおむね、「適正容量=1.5kg×人数」としています。いつの間にか、横型が主流?
洗濯機の主流は、洗濯物を真上から出し入れする縦型洗濯機から、前方に大きく傾斜したドラムに前面から洗濯物を出し入れする横型洗濯機へと移っています。縦型は、バケツで水を受けるようにシンプルな構造なので、軽量で、比較的安価なのも特徴です。対して、横型は洗濯物の出し入れが高齢者などにも容易であり、縦型よりも少ない水で洗濯できるなどのメリットがあります。しかしその半面、構造上漏水しやすく、かたよった洗濯物の遠心力による振動に耐えなければならないために構造が複雑で、重量も大きく、比較的高価というデメリットがあります。費用や重量が気になるなら縦型を、使いやすさを重視するなら横型を選ぶとよいでしょう。今や、乾燥機能が標準装備!
洗濯槽と脱水槽をもつ2槽式、そして洗濯から脱水までをこなす自動式を経て、今や乾燥機までをも装備した全自動洗濯乾燥機が主流となりました。お店にはたくさんの商品が並んでいて、「乾燥は天日で」と考えている方も、そのラインアップを前に迷ってしまうことでしょう。実のところ、どの製品も、洗濯と乾燥ができる点では似たり寄ったりですが、最も大きな違いをあげるとすれば、乾燥の方式とそれによる電気代の違いです。乾燥の方式には大きく分けて2種類あり、ヒートポンプ式は、エアコンと同じく(「達人の家電選び・エアコン編」を参照)大気の熱を利用するので、機械は複雑で高価ながら、エネルギー効率が高く、電気代が節約できます。もう一方の水冷除湿方式は、洗濯物の水分をヒーターで蒸発させ、その水蒸気を冷やして水に戻しながら排水する方式で、構造が単純で安価な一方、消費電力が大きく、乾燥中にも冷却水が必要となるため、省エネ性能は劣ります。総じて、全自動で乾燥まで行うなら、光熱費の安いヒートポンプ式が長い目で見てお得です。乾燥機能は、雨の日くらいしか使わないつもりなら、本体価格の安い水冷除湿方式を選ぶとよいでしょう。
注目の最新機能!
洗剤ゼロ洗浄水を電気分解して、化学的に反応性の強いオゾン(ふつうの酸素O2よりも酸素原子が一つ多いO3)を発生し、化学的に洗浄効果を発揮します。軽い汚れなら洗剤が不要とあって、注目の機能です。また、オゾンを含む風で除菌や消臭を行う「水無し洗浄」も登場し、手軽には洗えない制服やスーツ、水で洗いにくい皮革製品や靴などの洗濯に重宝します。
水のリサイクル
風呂の残り湯をオゾンで浄化し、洗濯やすすぎに繰り返して使用できる製品が登場しています。1回の洗濯で、新たに必要な水道水が10リットル未満という製品もあります。今までは、風呂の残り湯をくみ出す専用のポンプが販売されていましたが、この機能を標準装備した製品も登場しています。
脱衣所エアコン
乾燥機能用のヒートポンプを利用して、洗濯機の周辺を冷暖房できる機能です。日本の住宅事情では多くの場合、バスルームと隣接した脱衣所に洗濯機を設置しているので、脱衣所を快適な温度にコントロールできます。
乾燥シワの抑制
洗濯によって布地はもみしだかれ、これが乾燥時のシワを作ることになります。しかし、強烈な圧力の温風で、まるで風を受けている帆のように布地を引き伸ばしながら乾燥させる工夫によって、シワを抑制してくれる機能が登場しています。方式や効果は各社で異なるので、この機能が気になる方は、製品選びのポイントとして覚えておくとよいでしょう。
機能を使いこなして、上手に節約!
お子さんのいる家庭などで、泥や油汚れがひどい場合を除けば、洗濯時間の短い高速コースでも十分に洗浄できる可能性があります。洗濯時間が短いので、汚れ具合を見極めて、電気代の節約をしましょう。また、洗濯~乾燥の工程で、電気の大半を消費するのが乾燥です。カタログでは、電気代の比較にばかり目が行き、省エネながら高額なタイプに気を取られがちですが、やはり天日干しにはかないません。比較的安価な水冷除湿式乾燥タイプを購入しておき、普段は天日干し、仕方のないときだけ乾燥機を利用するなどの工夫をすれば、トータルで安く上がります。買い替え時と安全使用の注意点!
製品のトレンド変化にともない、縦型の全自動洗濯機から、横型のドラム式洗濯乾燥機に買い換える人が多くなっています。しかし、そこには思わぬトラブルも。横型のドラム式洗濯乾燥機は、縦型全自動洗濯機に比べ、2~3倍重いので、設置場所の強度が十分であるか注意が必要です。洗濯や乾燥は、衣類と水分でかなりの重量物を高速で回転させることになります。設計基準はあくまで水平設置なので、確実に水平を守らないと、洗濯機に余計な負担がかかり、故障の原因となります。使用中に本体が激しく振動し、壁を突き破った事故例も報告されています。設置後も、使用を繰り返すうちに移動したり、水平が崩れたりするケースもあるので、本体に内蔵されている水準器で、定期的に確認しましょう。また、横型のドラム式洗濯乾燥機は、縦型全自動洗濯機に比べ、高さが20~30cm高いので、置き換えの際は、蛇口に本体がぶつかってしまうケースが多々あります。電器店に向かう前には、必ず蛇口の高さや蛇口がどれぐらい前に出ているかなどの寸法をメモしておきましょう。