◆学生を支えた人々は強制排除された
その陰で、4月11日未明、立法院正門で台湾独立のために活動を続けてきた「公投護台湾連盟」(公投盟)のメンバーたちが、警察によって強制的に立法院正門の外に追いやられるという事件が起こった。太陽花学運の平和なフィナーレを見終えた観衆が家路につき、立法院周囲から人が去った後の出来事だった。5年間毎日、許可を得て、同じ場所で台湾独立を叫んでいたメンバーたちは皆、中高年、おじいさん、おばあさんと呼ばれる人たちだ。彼らは、しがみついてその場を離れようとしなかったが、警察は彼らの両手両足をつかんで運んでいった。公投盟のリーダーである65歳の大学教授は憤り、道路に身を投げバイクとぶつかり一時意識不明に陥った。今回の学生運動の始まり、立法院の警備突破を手助けし、24日間の活動を支えたのも彼ら公投盟だったが、その学運のあおりを受け、5年間抗議を続けた彼ら自身の場所は失われた。
◆国会撤退後も拡がる公民運動の波
太陽花学運は、名前のとおり陽の当たる社会運動だったが、台湾には数多くの社会運動団体が存在し、陽の目を見ない地道な活動も多い。その一つ一つは独立しているように見えて、その抵抗の理念は重なり合い、互いの運動における活動の土台ともなっている。太陽花学運に影響を受け立ち上げられた「民主黒潮学生連盟」をはじめ様々な団体が、台湾各地で服貿反対運動を展開し、服貿を推し進めようとする議員の罷免を求めるなど、太陽花たちが巻き起こした公民運動の波は、確実に拡がり続けている。24日間というのは、プロローグでしかない。台湾の公民運動は、まだ始まったばかりだ。