そしていずれはこれを、国境地域の貧困解消のための開発へとつなげ、テロが生まれる構造的な原因を長期的に解決していくのである。安倍晋三首相は「積極的平和主義」という言葉を盛んに使うが、もともと、「積極的平和」とは差別や貧困といった「構造的暴力」が解消された状態を指す用語である。日本が担うべきなのは、この本来の意味での「積極的平和」実現のための努力である。
南アジアの混乱は、インドやパキスタンからの核の流出・拡散につながり、世界的な危機へと発展する。アフガニスタン安定化は人助けではなく、日本の国益のためでもある。そのとき、日本外交の強みとなるのは、憲法9条と非武装の自衛隊である。