雨傘革命は中国の対外政策を変える契機になるか
雨傘運動は最終的にデモ隊側の敗北に終わりました。しかし、この事件は今後、中国の対台湾政策のみならず、日本や韓国をはじめとした周辺諸国への外交政策の方向性をも変える契機になるかもしれません。自国の周辺地域に対してまずは経済的影響力を強化し、その力を背景に政治的な取り込みを図るというのが、従来の中国の外交戦略でした。しかし、経済的影響力の拡大は必ずしも政治的な影響力拡大には直結せず、むしろ現地の反発を強める結果を生んでいます。その最たる例が、香港の雨傘革命や台湾のヒマワリ学生運動だと言えるのですが、日本や韓国、ベトナムなどについても類似した構図は存在しています。
経済関係をエサに政治的な従属を求める従来の中国の方法が、ここにきて見直し局面に入っていることは客観的に見ても明らかです。習近平国家主席とそのブレーンたちが、見直しに踏み切る勇気を示せるかどうか。中国にとっての15年は、なによりもこの一点が問われる年になると言えるでしょう。