布施 そうですね。明治の時点では、欧米による植民地支配から日本の独立を守るために、欧米の近代化を学んで、資本主義も取り入れて発展するという戦略でした。今はむしろ、アジア自身が発展している。だから、脱亜入欧ではなくて、まさにアジアに目を向けて、アジアの中で発展する。そして、発展のためには平和でなければいけない。そこにこそ、日本の自立の答えがあると思います。
徐 日本と韓国には、東アジアにおける安全保障だけでなく、少子化や排外主義の台頭など社会が抱える共通の課題がたくさんあります。そうした問題を解決するために、日韓で協力することができるはずですが、今までの秩序を踏襲するかぎり、ともに解決していくのは難しい。東アジアで平和な社会を実現するためには、まったく新しい日韓の関係について議論が始まるべきだと思います。
布施 そのためにも、日韓の相互理解をもっと深める必要があります。朝鮮半島の南北分断と日本の対米従属がそうであるように、それぞれが直面する問題の関連性や共通項が見えてくれば協力の機運も高まるでしょう。その意味で、徐台教さんのように日韓をともに知っていて、それぞれの社会の相互理解を促進できるジャーナリストの存在はものすごく貴重です。徐さんのようなジャーナリストが、東アジアの各国にいてくれたら心強いのに、と思います。そうやって相互理解を深めていくことができれば、協力して今までの秩序とは違う新しい東アジアをつくることは可能だと、私は希望を持っています。