いまや女性の2人に1人は、がんが原因で死ぬ時代である。高齢出産も増えており、20歳女性の流産率が10%なのに対し、40歳女性でのそれは50%にのぼる。多くの人が“自然に”がんや流産を経験するが、その時、きっと少なからず起こるであろう感情の葛藤に対して、私たち医療従事者が何かできることはないのだろうか。
震災から3年を経た福島県浜通りでは、リスクコミュニケーションや除染作業、住民の帰還政策など、さまざまなことが議論されている。リスクについていえば、しっかりとした情報と知識が不足していることが、問題の根源ではないと思う。数値の議論にとどまるだけではなく、どうすれば孤立を防ぎ、自信を持って生活を送ることができるか。途方もない課題ではあるが、手伝えることをこれからも少しずつやっていきたい。