そのためには、世論喚起が必要です。具体的には、国会では野党の議員にがんばってもらい、私たち労働問題に詳しい専門家は長時間労働がどれだけひどい害悪をもたらしているのかを社会に発信していく。これまでにも報道やSNS、「全国過労死を考える家族の会」のみなさんの言葉、国会前や路上でのデモなど、さまざまな人々がさまざまな形で発信してきました。そういった積み重ねが、少しずつでも世論を動かしていくはずです。
高プロにあまり関心のなかった人たちにも情報が伝わり、考えるきっかけになればいいと思います。改めて自分たちの労働実態をきちんと把握し、労働が身体や生活にどのような影響を及ぼしているのかをチェックすることで、自分の健康を守ることが出来るようになるからです。
国会会期末までに私たちができることはたくさんあります。そして、法律が成立したとしても粘り強く社会に訴え続けていきましょう。そうすれば労働環境は、より良いものにきっと変わっていくはずです。
高度プロフェッショナル制度
(法律案概要)職務の範囲が明確で一定の年収を有する労働者が、高度の専門知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員 会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除 外とする。