4月2日(木)
・若松さんが主宰をしている講座を受講しているという女性から、自分が所有している空き家の一軒家を提供したいという連絡があり、内見をさせてもらう。NHKの取材班が同行する。2階建ての大きな一軒家で、大家族でも暮らせる居住環境。なんと、無償で提供してくれると言ってくれている。来週から使用できることに。
4月3日(金)
・北畠さん呼びかけの都庁への申し入れは、「つくろい」やビッグイシュー基金を含め、都内の6つのホームレス支援団体が連署することになった。午前中、東京都福祉保健局の担当者に会いに行き、緊急要望書を提出。担当者からは、問題意識を共有しているという感触を得ることができた。
・その後、都庁記者クラブで記者会見。多数の記者が参加。記者会見における私の発言内容は以下のとおり。
「コロナ危機により今後、新たに住まいを失う人が急増するリスクがあることに加え、緊急事態宣言が発出されてネットカフェが休業になれば、そこで寝泊まりをしている約4000人が一斉に居場所を失う可能性がある。ネットカフェを出された人の多くは路上生活になったり、地方に移動したりする。そうなれば、感染の拡大を防ぐという観点からも問題が大きい」
「また、従来の行政によるホームレス支援では、生活保護を申請した人に対して、各区が多人数部屋の民間施設を紹介することが通例となっており、これも感染症リスクという点で問題がある」
「ロックダウンになったロンドンやパリなどの外国の大都市では、行政がホテルを借り上げてホームレス状態の人に提供するという緊急対策が実施されている。都も諸外国を見習い、ホテルや住宅などの個室提供を軸とした緊急支援を早急に始めるべきである」
・私は長年、行政がホームレス状態にある生活困窮者に対して適切な支援を行わないことを批判してきた。
近年になって、公的な支援策は拡充されたが、依然として行政の支援が「相部屋の施設」を前提としているのは、人権上も、支援策の有効性からも問題であると指摘してきた。感染症問題にかこつけるようなかたちで持論を主張するのは本意ではないが、今回は戦術として、個室を提供しないと公衆衛生上の問題が生じるという点に力点を置いて主張することにした。この日の申し入れ、記者会見の模様は各社が報道してくれた。
・午後、北畠さんととも都議会議事堂に行き、各会派の控室を訪問。与野党の都議会議員に緊急要望書を渡し、協力を要請。会派を問わず、問題意識は持ってくれ、都への働きかけを約束してくれる。
4月6日(月)
・小池都知事の夜の記者会見。緊急事態宣言が発令された場合の東京都の緊急対策の一つに、失業などに伴い住む場所を失った方々に一時的に住宅などを提供する事業を実施すると表明。都の補正予算から12億円を計上したとのこと。
ネットカフェへの休業要請により居場所を失う人も緊急支援の対象になるのか、という質問が記者から出る。私たちの記者会見の際、熱心に質問をしてくれた新聞記者だ。
小池都知事の回答。
「では私から。先ほどの、明日の、専決を行います予算232億円の中に、12億円盛り込ませて頂いております。これは、まさしくご質問にありましたようなところで、実は寝泊りもされておられるという方々、こういった方々が、仮の住まいと言いましょうか、滞在できる場所を確保するということを念頭に置いたものでございます。また、失業という、今、そのような現状がある中において、失業が増えているという、これらのことで、一時的な滞在場所を確保するという対応策でございます。おっしゃるご質問のとおりだと思っております」
やった! これで何とか混乱は回避できる。そう思ったのは、甘かったと後で知ることになる。
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