2013/12/20
ネバネバの正体は?
納豆といえば、長く糸引くネバネバ。その成分はうまみ調味料のグルタミン酸が5000個以上つながったポリグルタミン酸というものです。かつて筆者は、遺伝子解析の手法を駆使して納豆の「家系図」を作ることで、納豆のルーツが中国の雲南にあったことを突き止めました。納豆の過去を解明すると、今度は納豆を使って、未来につながっていくモノづくりに挑んでみたくなりました。納豆樹脂とは何か?
納豆樹脂は、蜂の巣状の六角形構造が無数に並んだ構造になっていて、ここに桁外れに大量の水を取り込むと、納豆樹脂はゼリー状の透明なゲルになります。照射線量が40キログレイのとき吸水率は最大となり、自重の5000倍もの水を吸い込むことができます。そして、重要なのは、納豆樹脂は人体にも自然環境にも優しく、無害だということです。紙オムツの隠れた問題点
現在使われている日本製紙オムツは、世界トップレベルの性能です。軽量で携帯に適し、使用時の圧迫感も少なく、肌触りや装着感もよいという、世界に誇る優れた製品です。中でも吸水性ポリマーは排泄(はいせつ)物を確実に捕らえ、吸水速度も速く、低価格で大量に生産されています。土に還る紙オムツを作りたい
紙オムツは、吸収材、肌と直接触れる不織布、それらを覆う防水性の表面材からなります。納豆樹脂開発当初から、これを吸収材として利用する紙おむつの開発が夢でした。つまり、土に埋めることができる生分解性の紙オムツというわけです。納豆樹脂は植物栽培を変える
地球は水の惑星といわれています。しかし、飲用に適した水はわずか0.74%にすぎません。そのうちの65%は農業用水に利用されており、この割合を少なくすることは急務です。医療応用への可能性も大きい
納豆樹脂の医療応用も考えています。一つには、アトピー性皮膚炎に悩む患者さんに保湿剤を提供することですが、まずは「REFAHRE(リファーレ)」という化粧品として市販を始めました。添加物を一切加えず、水と納豆樹脂と防腐剤のみの配合です。納豆のにおいやベタベタ感は全くなく、同時にサラサラ感とシットリ感には驚かれることでしょう。一般に保湿化粧品にはグリセリンやシリコーン類が配合されているのですが、汗や皮膚呼吸で生じる水分を吸収できずに浮き上がってしまい、化粧くずれを起こしやすいのです。対して、リファーレは皮膚になじんで汗も吸ってしまうために化粧くずれが起こりづらく、リピート率はふつうの化粧品の2倍にもなる約20%という高い評価を得ています。透析患者の苦しみを減らせる可能性
日本透析医学会の報告によると、腎臓病のために透析が必要な患者数は、2012年12月には約31万人に達したとのことです。「大学入学共通テスト」と「新学習指導要領」によって「国語」教育は劣化する
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