「藤森建築と路上観察」
第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展(2006年)の日本館の帰国展。07年に建築史家である藤森照信の建築家としての作品や、赤瀬川原平らと展開した路上観察学の成果が東京オペラシティアートギャラリーにおいて紹介された。素材や構法の紹介、縄文建築団が制作した竹と縄で編むドーム型シアター、芝の塔、温暖化により水没した時代の「東京計画2107」など、図面や模型に頼らない建築の展示手法が注目を集めた。また同時期に銀座メゾンエルメスで開催された藤森の「メゾン四畳半」展では、エルメスの社員や観客が参加して、会場に三つの茶室を実際のサイズで制作した。いずれも頭で理解するのではなく、体で空間を経験するという藤森建築らしい姿勢を貫いたものである。(2008.3)
(五十嵐太郎)
石上純也
いしがみ じゅんや
建築家。1974年生まれ。2000年東京芸術大学大学院修士課程修了。2000~04年妹島和世建築設計事務所に勤務。04年独立。同年「low chair」「round table」が、ポンピドーセンターのコレクションになる。05年SDレビューで「長屋のちいさな庭」がSD賞受賞。キリンアートプロジェクト2005において「table」がキリン賞受賞。 05年東京電力主催の住宅プロジェクトで最優秀賞受賞。07年、東京都現代美術館「SPACE FOR YOUR FUTURE」展に「四角いふうせん」「リトルガーデン」を出展。08年、神奈川工科大学KAIT工房を設計・完成。
大場秀章
おおば ひであき
植物学者。1943年生まれ。東京大学名誉教授、理学博士。専門は植物分類学、生物地理学。1971年のインドネシア・スラウェシ島の調査、72年のヒマラヤ高山植物の調査などを皮切りに、崑崙、ヒマラヤ、アラビア半島などのフィールドを踏破し、極限状態に生きる植物の生態や多様性を研究。植物学史や植物画など植物文化にも造詣が深く、日本におけるシーボルト研究の第一人者でもある。
インスタレーション
installation
立体作品を壁や床に設置して、空間を意識的に表現する方法。又はその作品。