第31回:2016年リオデジャネイロ大会(開催国:ブラジル)
開催日:8月5日~8月21日
参加国・地域:205+難民選手団、参加選手数:11238人、28競技306種目
公式マスコット:ヴィニシウス。『イパネマの娘』の作詞者として知られるブラジルの詩人、ヴィニシウス・ヂ・モライスから命名。二足歩行の動物の姿をしており、ブラジルに生きるすべての動物の多様性を表現している。
*南米大陸初開催の大会。また、夏季大会としては初めて、開催地が冬の時期に行われた。
*難民選手団が新設された。シリア、コンゴ、南スーダン、エチオピアを母国とする選手たちで、競泳2名、柔道2名、陸上マラソン1名、陸上トラック競技5名の計10名。
*ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が陸上男子100メートル、200メートル、400メートルリレーの3種目で北京、ロンドン大会に続き金メダルを獲得。100メートルと200メートルでは3連覇を果たした。
*伊調馨がレスリング女子58キロ級で優勝。過去3大会は63キロ級で優勝しており、女子個人種目4連覇は大会史上初の快挙。
*バドミントン女子ダブルスで、髙橋礼華(あやか)・松友美佐紀ペア(通称タカマツペア)が優勝。日本バドミントン史上初の金メダルを獲得。
*カヌー・スラローム男子カナディアンシングルで、羽根田卓也が銅メダルを獲得。カヌー競技においてアジア人初のメダル。
*【トピック】「最多金メダリスト」:競泳選手のマイケル・フェルプス(アメリカ)。2004年アテネ大会6個、北京大会8個、2012年ロンドン大会4個に加え、リオデジャネイロ大会で5個の金メダルを獲得し、通算23個を有する。銀メダル3個(ロンドン2、リオ1)、銅メダル2個(アテネ)を含めるとオリンピックでメダル28個を獲得している。
*【トピック】「2位同着が3人!?」:競泳男子100メートルバタフライ決勝において、マイケル・フェルプス(アメリカ)、チャド・レクロー(南アフリカ)、ラースロー・チェー(ハンガリー)の3人が51秒14のタイムで2位同着となり、全員が銀メダルを獲得した。
北京、ロンドン、リオ大会で男子短距離走を制覇したウサイン・ボルト(写真は2016年リオデジャネイロ大会)
〈2019年末より、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が始まる〉
第32回:2020年東京大会(開催国:日本)
開催日:2021年7月23日〜8月8日
参加国・地域:205+難民選手団、参加選手数:11420人、33競技339種目
公式マスコット:ミライトワ。「未来」と「永遠(とわ)」を合わせた名前。白と藍色の市松模様のロボットのようなキャラクター。
*新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により2020年の開催がかなわず、2021年に開催された。
*【トピック】「ROC(ロシアオリンピック委員会)選手団」:ロシアにおけるドーピング問題に対し、WADA(世界アンチドーピング機構)は、2019年から4年間、国際大会へのロシアの参加を認めないという処分を下した。これにより、ロシア人選手は東京大会ではROC選手団に属し、個人資格で参加する形となった。
*トランスジェンダー女性の選手(ローレル・ハバード、ウェイトリフティング女子87超級ニュージーランド代表)が世界で初めてオリンピックに参加した。
*東京の猛暑への対策として、陸上のマラソンと競歩は北海道札幌市で開催された。
*新しく追加された4競技のうちスケートボード、サーフィン、空手で日本代表が躍進。ほか、柔道で9個、レスリングで5個の金メダル、卓球混合ダブルス(水谷隼〈じゅん〉・伊藤美誠〈みま〉ペア)が日本卓球史上初の金メダルを獲得し、団体競技ではフェンシング(男子エペ団体)、野球、ソフトボールで優勝するなど活躍した。
卓球混合ダブルスで金メダルを獲得した伊藤美誠(左)と水谷隼(2020年東京大会〈開催は2021年〉)
〈2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を始める〉
〈2023年10月、イスラエルがガザ地区への大規模侵攻を開始〉
第33回:2024年パリ大会(開催国:フランス)
開催日:7月26日~8月11日
参加国・地域:200以上、参加選手数:約10500人(2024年8月、IOC公式サイトの記述より)、32競技329種目
公式マスコット:フリージュ。自由の象徴である赤い三角帽「フリジア帽」がモチーフ。
*夏季オリンピックとしては初めて、開会式がスタジアム以外の場所で実施された。選手団を乗せた船がセーヌ川をパレードし、エッフェル塔に近いトロカデロ広場で開会宣言などが行われた。
*大会理念として「ジェンダー平等」を掲げており、オリンピック史上初めて選手の出場枠が男女同数となった。
*サーフィンは南太平洋にあるフランス領ポリネシアのタヒチ島で行われた。
*【トピック】「AIN」:フランス語の「Athlètes Individuels Neutres」の略で、中立的立場の個人資格選手のこと。2024年パリ大会では、ウクライナへの軍事侵攻を理由に、ロシアとベラルーシの選手は国の代表としての参加が認められず、AINとして参加することになった。AINの選手がメダルを獲得した場合、表彰式では国歌のかわりに独自の曲が流され、国旗のかわりにAINの旗が掲揚される。同大会では、ベラルーシ出身のイワン・リトビノビッチがトランポリン男子で優勝するなど、AINの選手が5種目でメダルを獲得した。
*【トピック】「最多連覇記録」:キューバのレスリング選手、ミハイン・ロペスヌニェスが男子グレコローマンスタイル130キロ級で優勝し、北京大会から5大会連続で金メダルを獲得した。個人種目5連覇は夏季大会史上初の快挙。なお団体競技では、アーチェリー女子団体で韓国代表が優勝。ソウル大会からの10連覇を果たし、自らの連覇記録を更新した。
*【トピック】「選手への誹謗中傷」:2024年パリ大会では、誹謗中傷への大々的な対策が初めて構築された。IOCは、SNSなどインターネット上の不適切な投稿をAIが検知し、自動的に削除する仕組みを導入。また、誹謗中傷を受けた選手がSNSや電話などで相談できる窓口も設置された。大会後、ICOの選手委員会は、会期中に選手や関係者に対する誹謗中傷の投稿が8500件以上確認されたとして、「あらゆる攻撃とハラスメントを最も強い言葉で非難する」という声明を発表した。
*フェンシング男子エペ個人で加納虹輝(かのう・こうき)が優勝し、同競技個人種目で日本初の金メダルを獲得した。
*2024年パリ大会から追加された新競技ブレイキンで、女子種目である「Bガール」に出場した湯浅亜実(ダンサーネームは「AMI」)が同競技日本初のメダルとなる金メダルを獲得。
*北口榛花(きたぐち・はるか)が陸上女子やり投げで優勝。陸上女子のトラック種目およびフィールド種目(投擲および跳躍種目)において、日本初の金メダルを獲得した。
*飛び込み男子10メートル高飛び込みで、玉井陸斗が同競技日本初のメダルとなる銀メダルを獲得した。
*馬術、フェンシング、水泳、レーザーラン(射撃とラン)の総合力を競う近代五種男子個人で、佐藤大宗(さとう・たいしゅう)が準優勝。同競技日本初のメダルとなる銀メダルを獲得した。
*ゴルフ男子で、松山英樹が同競技男子では日本初のメダルとなる銅メダルを獲得。
【予定】第34回:2028年ロサンゼルス大会(開催国:アメリカ)
【予定】第35回:2032年ブリスベン大会(開催国:オーストラリア)