馬耳東風
(ばじとうふう)
馬の耳に東風が吹き抜けていっても、馬はなにも感じないという意味から、転じて、他人の意見や忠告には耳を貸さないこと。他人のいっていることを聞き流すこと。「東風」は、春風の意味で、人は春風が吹けば喜ぶが、馬にとってはなんの感動もないという意味。
『蘇軾(そしょく)―和何長官六言詩』に、「説向二市朝公子一、何殊二馬耳東風一」とある。
〔例〕「課長、井上くんは、また仕事をさぼって喫茶店へ行っています。いつも注意するんですが、馬耳東風でまったく効き目がないのです」などのように使う。
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馬痩せて毛長し
(うまやせてけながし)
(栄養の悪い馬は毛ばかり長く伸びるように) 人間もあまり貧乏をすると、頭の回転が悪くなってくるから注意せねばならない、という教訓。
〔類〕運尽くれば知恵の鏡も曇る/貧すれば鈍する
〔出〕五灯会元(ごとうえげん)
〔会〕「貧乏は恥ではないというが、こう長く続くとなあ。馬痩(や)せて毛長しともいうし」「ほんとうにねえ。もうそろそろ地面に届くんじゃないかしら」
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馬の背を分ける
(うまのせをわける)
夕立などがある場所に降り、ほんの少し離れた所には降っていない状態にいう言葉。「馬の背を越す」ともいう。「駅では降りこめられたのに、歩いてわずか5分のわが家では降っておらず、まさに馬の背を分ける雨でした」
〔語源〕馬の背の片側に雨が降り、他の側には降らないの意から。
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