1月下旬、甲府へライブに出かけた。
会場は桜座という、昔のガラス工場を改築したハコ。『営業中』という自分のアルバムの発売記念ツアーの一環なのだが、アルバムを出したのは2024年の夏。この日は2026年1月なので、もう発売してから1年半経っている。長い長いツアーである。
甲府駅からタクシーで桜座へ。運転手と何を話したか。いつ頃から春めいてくるんですかね。たしかそんな会話をした。ほにゃららではもう咲いてるみたいですよ、と運転手は言ったが、地名は聞き取れなかった。
久しぶりに桜座に着き、会場の皆さんに挨拶。相変わらずデカい手で、ガシッと握手してくれる大将。大きな包容力で迎えてくれた。コーヒーを出してもらい雑談。それからリハ。リハの段階で、高い天井から何者かに見つめられている感覚になる。見守られているというか。なんとなくライブは良いものになるだろうと、その時予感した。リハを終わらせ外へ出た。
甲府桜座
桜座に来た時は寄るところがふたつある。ひとつは近くの珈琲屋、カフェロッシュ。深煎り好きにはオススメの珈琲屋だ。店内の照明はかなり暗く、新聞を読むのも一苦労だが、ゆっくりと気持ちが静まって、ライブへ気持ちをまとめていくのにはありがたい場所だ。もうひとつは近所の古着屋。ここで柄物のシャツを買って、そのままライブで着たことがある。値段もお手頃で、この日もシャツを探した。もちろん衣装は持ってきてはいるのだが、なんとなく、あるんじゃないかと期待して。物色すると、外のラックに、少しサイズが小さいが、変なシャツがあった。これは自分が着ないで誰が着るんだ、そういう気持ちで捕獲する。さすがに胸元が開きすぎなので、ブローチのようなものも予備で買った。
会場に戻りさっそく楽屋で装着。肩パッドが入っていて、軽い戦闘モードになれる。良いものを買った。
ライブは、天井の梁の上から、やはり何者かに見守られているような感覚になり、堂々と行うことができた。肩パッドも功を奏した気がする。こういう細かい装備は、とても重要だ。桜座は昔あった芝居小屋を復活させたいという思いから作られた場所。ホームページにはその思いが宣言文として記されている。
77年前、甲府の町から「櫻座」という、人々が上気して通っていた芝居小屋が姿を消しました。私達は、この桜座の空間をいま復活させようと、目論む者達であります。(桜座HPより)
これをライブ前に読んでから出かけたのか、覚えてはいないが、どこかで読んではいたのだろう。それで梁の上に何者かの気配を感じたのだ。きっと。
ライブ後大将からお酒をご馳走になり、談笑。毎年1月にここでやれたらなという思いが湧く。軽く相談すると、ダメだ、と大将。来年1月じゃ遠すぎる、9月くらいに来なさい、と。おーい、とスタッフを呼び、9月のスケジュールを確認。ここ空いてる、よし、ここにしよう、いいね、健太くん。ということで、9月にライブが決定。健太くん、と言っていたかどうかは定かではないが、こういうのは嫌いじゃない、とその時思ったのは覚えている。では9月に、と言いガシッと握手をし、店を後にした。
素敵な名前の店たち