反面、私は「でも、そんなうまくは運ばないよなぁ」とも思っていたのですが、なんとそのまま二人とも勝ち進み、師弟対決が実現してしまったのです!
周囲の頑張りで私も変わることができる
こんなドラマのような展開が実際にあるんだなぁ……としみじみしながら対戦を見守っていました。今まで所属選手たちと一緒に過ごしてきた3年間を思うと、危うく涙がにじみそうになりましたが、「泣くのはまだ早いな。若手選手が優勝した時やな」と思い堪えました。結局、対戦は〈ももち〉が勝利して師匠のメンツを保ちましたが、最終マッチまでもつれ込む白熱した戦いとなり、〈ジョニィ〉選手は力強い戦いっぷりでした。
最終的に「Final Round 2019」の結果はアメリカの〈PUNK〉選手が優勝、〈ももち〉が2位、〈ジョニィ〉選手が3位でした。が、なんと言いますか、愛情を込めて育てていた植物が新しい芽を出した瞬間に立ち会えたような……。どんな花が咲くのかな、どんな実をつけるのかなと、そんな気持ちになり、これからの成長がもっともっと楽しみになりました。
このように最近、私は自分のことより周囲の活躍で幸せな気持ちになり、活力をもらっています。正直なところ昨年の初めはまだ自分の活動のことで一杯いっぱいで、「自分がまず活躍しなきゃ」と自分自身のことで一喜一憂していたのですけれど、運営するチームに所属選手がたくさん増えたことで、どうやら私の価値観も変わったようです。所属選手たちの躍進が、自分の活躍よりも数倍うれしいものになりました。どうすれば彼ら彼女らの活動の場が増えるか――そう考え、動くことがとても楽しいのです。
女の子が「母親になる自信がない」というような話をする時、実際に母親になった人は「子どもができたら自ずと変わるよ!」ってよく言うじゃないですか。私はまだ母ではないのでそう言われても実感が湧かないし、「私は子どもができても変わらなさそうだなー」なんて思っていたのですよ。でも、そうでもないのかもしれません。
自分勝手に生きて、後先考えずとにかく突き進むように過ごしてきた、そんな私でも変わることができるんだなぁ。誰にでも、どんな人にでも、価値観が変わる時がきっとあるんだろうな。そんなことが実感できました。
価値観が変わる時って一つ成長できたような気がします。レベルアップして次のステージに進めた気がします。所属選手たちからいろいろなことを学ばせてもらえているこの環境に感謝しながら、今回の話は終わりとさせて頂きます。またお会いしましょう。