彼が練習に集中できるよう、私は自分のために時間を使うことを諦めているからでしょうか。こんな気持ちになるのは「やめたい」と何度も思うのですが、どうしてか変えることができません。
夫が負けた2日目の夜――。〈あばだんご〉選手の試合を最後まで観戦していたら、もう他のタイトルの予選は全て終わっており、私はホテルの自分の部屋まで一人で戻りました。予選会場からホテルの部屋までは、建物の中を早歩きで15分くらいです。そこをゆっくりとぼとぼ歩きながら、「どうしてこのような感情になってしまい、それをやめることができないのか」と考えていました。
「別に負けたって次があるよ! また頑張ろうね!」みたいな優しい気持ちにすぐなれるといいのですが、そうなるまでに時間が掛かります。部屋の近くまで戻ったのですが、この感情のまま夫と会うのはまずいのでフードコートに寄り道をしました。
そうして、古代エジプトのピラミッドを模したルクソール・ホテル(Luxor Hotel & Casino)の頂きを眺めながら、ぼーっと考えていました。15分くらい眺めていたところで、ふと「でもそれだけ感情的になれるってことは、それはそれでいいことなのでは?」と思うようになり、「逆に私が夫の試合に感情的になれなくなったら、それは終了の合図だな」と。それで納得。結果、「このままの自分でいいや!」となりました。
夫には負担を掛けないようにしつつ、自分は自分のままで。それが、この世界最大の格闘ゲーム大会で獲得した私なりの成果でした。
とまあ途中から自分語りになってしまいましたが、今回のEVOも非常に熱い大会となりました。年々、参加者も観客も増え続けているのが凄いです。中には終了となったり、参加者が減ったりしたタイトルもありましたが、全体を見ると規模は拡大しています。
これからも格闘ゲームがなくなることなく、この盛り上がりが続くといいなと思います。そのために少しでも貢献できたらうれしいですね。
それではまた次回。