吉川 それいいですね! 私もそうしようかしら。でも今はとにかく、ゲンを看取るためにも私が健康でいなければと思っています。
加藤 吉川さんは後悔もないし、覚悟もあるから大丈夫だと思いますが、私がいつもお話しするのは、猫と暮らしたことは幸せだったのだから、猫が死んでしまったことで飼い主が不幸になってはいけないということです。飼い主が不幸だと思ってしまったら、その猫は浮かばれません。猫を看取ってこそ飼い主の責任を果たせる。腕の中で看取れるのは幸せなことだと私は思うのです。そのためには、必ず別れのときが来るという心の準備が大切です。
吉川 本当にそうですね。ゲンを残して自分が先に逝くのは絶対に嫌です。ゲンは人間の年齢に換算すると軽く100歳を突破しています。また1日、1カ月生きてくれてありがとうと感謝しています。
◆一筆御礼 ~対談を終えて
洗練された話し方が心地いい、すてきな大人の女性とのおしゃべりは、とても楽しい時間でした。なんてクールでスマートな女性なのだろうと思っていたら、だんだんとゲンちゃん談義に熱が入り、「ゲンが若かった頃の写真があるの」と捜し始め、なかなか見つからなくても「何が何でも見せたい」の雰囲気で捜し続け、やっと見つかって「見て~」と言ったときに、「あ~、猫好きって皆、フニャフニャ度は同じなのね」と妙に感心してしまいました。ゲンちゃん、吉川さんといつまでもお幸せに!
撮影:橋詰かずえ