■一筆御礼 ~対談を終えて
「猫は逝くタイミングを合わせてくれる」という言葉に同感です。猫との絆がそう信じさせてくれるのでしょう。冷静な死生観は猫への深い愛情故に生まれるのだということも改めて実感しました。私たちは死というものから目を背けて暮らしがちですが、死は生の延長線上に自然に存在すること、幸せな生があれば死は否定すべきものではないことを、私も常々感じています。人にも猫にもいずれ死が訪れることは紛れもない事実、だから今の幸せを大切にし、楽しむのだという川上さんの気持ちがよくわかりました。
ところで、帰りしなに日本酒がズラリと並んだキャビネットがふと目に入り、思わず「川上さんってのんべなんですか?」と聞いたら、ちょっと恥ずかしそうに「ええ」。あら、私も大いなるのんべです。いつか、ほろ酔いで死生観を熱く語る川上さんに、ぜひまたお会いしたいものです。
写真:慎芝賢