第26回:1996年アトランタ大会(開催国:アメリカ)
開催日:7月19日〜8月4日
参加国・地域:197、参加選手数:10318人、26競技271種目
公式マスコット:イジー。大きな目鼻口に手足がついた青色のキャラクター。何に由来しているのかははっきりしていない。
*モハメド・アリ(ローマ大会のボクシングライトヘビー級金メダリスト、旧名カシアス・クレイ)が聖火ランナー最終点火者を務めた
*陸上男子走り幅跳びでカール・ルイス(アメリカ)が4連覇。
*【名言】「自分で自分を褒めたい」:陸上女子マラソンで、全大会の銅メダルに続いて銀メダルを獲得した有森裕子の発言。
*柔道女子61キロ級で恵本(えもと)裕子が柔道女子における日本初の金メダルを獲得。
*柔道男子60キロ級で野村忠宏が優勝。野村はシドニー大会、2004年アテネ大会にも出場し、3連覇を達成する。
*セーリング女子470級で重(しげ)由美子・木下アリーシアペアが同競技日本初のメダルとなる銀メダルを獲得。
*【トピック】「マイアミの奇跡」:サッカーグループリーグ第1戦で、日本が強豪・ブラジルに勝利するという快挙を達成。
*【トピック】「親子3代オリンピアン」:障害馬術選手、杉谷泰造が日本代表に選出された。杉谷の祖父である川口宏一(メルボルン大会)と、父の杉谷昌保(メキシコシティ大会、ミュンヘン大会、モントリオール大会)も、障害馬術日本代表としてオリンピックに出場している。杉谷はアトランタ大会以降、2020年東京大会を除き2024年パリ大会まで7大会で代表に選出され、日本人最多出場選手となった。
野村忠宏はこのあとシドニー、アテネ大会にも出場し3連覇を達成(1996年アトランタ大会)
第27回:2000年シドニー大会(開催国:オーストラリア)
開催日:9月15日〜10月1日
参加国・地域:199、参加選手数:10651人、28競技300種目
公式マスコット:シド、オリー、ミリー。シドはカモノハシ、オリーはワライカワセミ、ミリーはハリモグラの姿をしている。
*オーストラリア代表の競泳選手、イアン・ソープが17歳で男子自由形400メートルに出場し、自身の世界記録を更新する形で金メダルを獲得。男子自由形リレー(400メートル、800メートル)でも優勝し3冠に輝いた。
*テコンドーが正式種目に追加され、女子67キロ級で岡本依子が同競技日本初のメダルとなる銅メダルを獲得。
*【名言】「最高でも金、最低でも金」:前2大会で優勝を逃した女子柔道の田村亮子が意気込みを語った言葉。田村は48キロ級で金メダルを獲得。続くアテネ大会では結婚による改姓で谷亮子として出場し、同階級で2連覇を果たした。
*【名言】「すごく楽しい42キロでした」:陸上女子マラソンで優勝し、陸上女子競技として日本初の金メダルを獲得した高橋尚子の発言。
田村亮子、3度目の大会で初優勝(2000年シドニー大会)
〈2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件〉
〈2003年3月20日、アメリカ主導の有志連合がイラク戦争を開始〉
第28回:2004年アテネ大会(開催国:ギリシャ)
開催日:8月12日〜28日
参加国・地域:201、参加選手数:10625人、28競技301種目
公式マスコット:アテナとフィボス。アテナは開催地アテネの守護神であるギリシャ神話の女神アテナ、フィボスは太陽神であるアポロをイメージしている。古代ギリシャの土人形がモチーフ。
*ドイツ(東ドイツ)のカヌー選手、ビルギット・フィッシャーが女子カヤックフォア500メートルで優勝し、ソウル大会から5大会連続で金メダルを獲得(同一種目ではない)。女性選手の最多連続金メダル獲得記録を自ら更新するとともに、カヌー競技では最年少(18歳、モスクワ大会)と最年長(42歳、アテネ大会)の金メダリストとなった。
*陸上男子ハンマー投げで、1位のアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)がドーピング規定違反により失格となり、決勝から1週間後の8月29日、2位の室伏広治が繰り上げ1位になることが決定した。投擲種目での金メダルはアジア人初。
*レスリング女子が正式競技に追加された。吉田沙保里が55キロ級、伊調馨(いちょう・かおり)が63キロ級で初優勝。
*【名言】「チョー気持ちいい」:北島康介が競泳男子平泳ぎ100メートルで優勝した直後の発言。
伊調馨初優勝。このあと北京、ロンドン、リオ大会まで4大会で優勝する(2004年アテネ大会)
第29回:2008年北京大会(開催国:中国)
開催日:8月8日〜24日
参加国・地域:204、参加選手数:10942人、28競技302種目
公式マスコット:ベイベイ(魚)、ジンジン(パンダ)、ファンファン(聖火)、インイン(チベットカモシカ)、ニーニー(燕)。5体まとめてフーアー(福娃)と呼ばれる。5つの名前を1文字ずつつなげると「ベイジンファンインニー」となり、「北京歓迎你(北京へようこそ)」と同じ発音になる。
*【トピック】「1大会最多金メダル記録」:アメリカの競泳選手、マイケル・フェルプスが出場した8種目(男子バタフライ〈100メートル、200メートル〉、男子自由形200メートル、男子個人メドレー〈200メートル、400メートル〉、男子メドレーリレー400メートル、男子自由形リレー〈400メートル、800メートル〉〉すべてで優勝し、1大会8冠を達成。ミュンヘン大会でアメリカの競泳選手、マーク・スピッツが記録した7冠を抜いた。
*【名言】「なんも言えねえ」:北島康介が競泳男子平泳ぎ100メートルで2連覇した直後の発言。
*ソフトボール日本代表が初の金メダルを獲得。投手の上野由岐子は2日間で行われた準決勝、3位決定戦、決勝の3試合を完投し413球を投げ切った。
*フェンシング男子フルーレで太田雄貴が準優勝し、同競技日本初のメダルとなる銀メダルを獲得。
マイケル・フェルプスが獲得した8個の金メダル(2008年北京大会)
〈2011年3月11日、東日本大震災〉
第30回:2012年ロンドン大会(開催国:イギリス)
開催日:7月27日〜8月12日
参加国・地域:204、参加選手数:10568人、26競技302種目
公式マスコット:ウェンロック。クーベルタンが近代オリンピックの参考にしたとされる競技大会が行われているイギリスの町「マッチ・ウェンロック」に由来。銀色のボディに一つ目のキャラクター。
*宗教上の理由などから、過去大会に一度も女子選手を派遣したことがないサウジアラビア、カタール、ブルネイから初めて女子選手が参加。これにより、すべての参加国・地域から女子選手が出場することになった。また、今大会から女子ボクシングが追加されたことで、全26競技で女子種目が実施されることになった。
*レスリングでは吉田沙保里が女子55キロ級で、伊調馨が63キロ級でそれぞれ3連覇を達成。
*女子サッカー日本代表が銀メダルを獲得。
*卓球女子団体で、石川佳純、平野早矢香、福原愛が同競技日本初のメダルとなる銀メダルを獲得。
*バドミントン女子ダブルスで、藤井瑞希・垣岩令佳ペア(通称フジカキペア)が、同競技日本初のメダルとなる銀メダルを獲得。
*【トピック】「オリンピック最多出場選手」:カナダの馬術選手、イアン・ミラー。1972年ミュンヘン大会から始まり、カナダがボイコットしたモスクワ大会を除き、ロンドン大会まで10大会に出場した。
3連覇した吉田沙保里と、吉田を肩車する栄和人監督。左後方は吉田の父・栄勝(2012年ロンドン大会)