事態がここまで深刻化すると、家族は、「ここで反発して子どもが自傷行為に及んだり、外に出て犯罪に走ったりしては取り返しがつかない。私たちさえ言うことをきいていれば少なくともほかの人たちに迷惑をかけることはないんだ」と、状況の改善をすっかりあきらめていることが多い。
では、どうすればそこから脱出できるのか。
世の成書には「とにかく問題に気づこう。子どもと距離を置こう。自分の人生を取り戻そう」といったことがよく書かれている。その通りだが、簡単にはできないから誰もが困っているのだ。
次回は、私がこれまで接してきた「最上位に子どもが君臨していた家族」を参考に、その状況を少しでも変えていくための方策はあるのかどうか、あるとしたらそれは何かについて考えていきたいと思う。
(つづく)
家族療法
編集部注:家族を一つのシステムとみなし、このシステムの中での関係を見つめ直すことで、問題を改善・解決しようとする精神療法