穀物や果実などを発酵・蒸留して造られる酒は、各地の文化や気候風土、嗜好などを反映し、長い歴史の中で洗練されてきた。世界各国の代表的な蒸留酒・醸造酒・リキュール(混成酒)の原料や製造法、味・香りの特徴などを紹介する。(「イミダス2001年版」掲載)
シャンパン
フランス北東部・シャンパーニュ地方で産するスパークリング(発泡性)・ワイン。黒ブドウのピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、白ブドウのシャルドネの3種をブレンドし、その発酵中に炭酸ガスを瓶の中に閉じ込め、オリを除去した分リキュールを加えて造られる。フランスの他の地方産のものは「ヴァン・ムスー」と呼ばれる。
◆◇◆◇◆
ヴェルモット
白ワインをベースに、ニガヨモギ、甘草、桂皮などの薬草・香草を十数種~数十種配合し、さらにスピリッツ(蒸留酒)を加え、たるに詰めて1~2年熟成させたフレーバード・ワイン。中でもイタリアの『チンザノ』は特に有名。食前酒、あるいはカクテルに用いられるが、イタリア産は甘口、フランス産は辛口のものが多い。
◆◇◆◇◆
シェリー
ワインの発酵中、あるいは発酵後にブランデーを加えたスペインの酒。辛口、甘口とさまざまなタイプがあり、「フィノ」は淡色で辛口、これをさらに熟成させたこはく色の「アモンティリャード」、甘口でコクのある「オロロソ」などがある。ブランデーが入っているため、酸化して味が変わることも少ない。『ティオ・ペペ』が有名。
◆◇◆◇◆
サングリア
赤ワインにオレンジ、レモンなどさまざまな果物をスライスして入れ、シロップで甘みをつけたスペインの代表的な飲み物。色が赤いため、スペイン語の「血」という意味からこの名が付けられた。十分に冷やし、飲む直前に炭酸水を適量加え、味を調えるためにレモネードやブランデーを少々加える場合もある。
◆その他のミニ知識はこちら!【世界のお酒】