海千山千
(うみせんやません)
海に1000年、山に1000年すんだ蛇は、竜になるという伝説から、世間でさまざまな苦労や体験をして、物事の裏面にまで通じている、抜け目がなくてしたたかな者をいう。「海に千年山に千年」という言い方もある。
〔例〕悪賢くて老獪(ろうかい)な人、一筋縄ではいかない人を表現するのに、「あのバーのママは純情そうな顔つきをしているが、なかなか海千山千の女だよ」とか、「営業経験が6カ月しかないきみが、あの海千山千の商売人である大井商事の専務と対等に渡り合えるわけがない」などと使ったりする。
〔類〕海千河千(うみせんかわせん)
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目から鼻へ抜ける
(めからはなへぬける)
頭の回転が早くて素早いことをいい、万事に抜け目のないことにたとえる。
〔類〕一を聞いて十を知る/目から入って鼻へ出る
〔対〕十を聞いて一を知る
〔出〕浄瑠璃(じょうるり)・新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)
〔会〕「私、英語の後期テストはバッチリよ」「どうして」「だって、小林先生の問題は毎年同じだって聞いたから、先輩から去年の問題用紙もらったのよ」「あんたって目から鼻へ抜けるように要領がいいわね」
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如才がない
(じょさいがない)
(1)抜け目がない。気が利く。「隣の奥さん、あれでなかなか如才がない人です」 (2)愛想がよく、人の気をそらさない。「如才がない人なので、いっしょに旅行しても楽しい」
〔語源〕「如才」は、「如在(祖先の霊や神が眼前にいますがごとく慎み敬うこと)」(『論語』の中の語)の書き誤りから生じた語で、したがって「如才ない」は、もとは「つつしまない」意であったという。
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