性売買に関わる女性たちを「見に」来るのは、男性たちばかりではない。女子大学生や会社員風の女性が、大久保公園を見に来て「いい経験になりました」と話していたり、観光で来たという女子高生が友だちと一緒に大久保公園を「見物」し、「可愛い子がいるかチェックする」遊びをしていることもあった。これまで、そのような楽しみ方をするのは大学生から中高年の男性のグループが多かったが、この半年で変わってきた。
親や彼氏が、少女たちが「売春」して生活しているのを知っているケースや、生活のために買春男と同居する少女や、18歳で買春者のおじさんと生活のために結婚する女性も増えている。そして、これは都会だけの話では決してない。同じ状況にある、地方に暮らす少女たちともColaboはつながっている。
24年12月、大阪・梅田の路上が「立ちんぼ対策」で黄色く塗られた。2カ月前にそのアイデアが報じられた時、なんてばかなことを考えるのだろうと笑ってしまったが、実現した。行政も、それに賛同する市民も、性売買に関わる女性を排除し、人目につかないところに追いやることで問題を隠そうとしている。
女性たちに責任を押し付けるまやかしの「対策」や、性搾取が温存されることで、買春等の利益を得ている男たちのあらゆる形での連帯に騙されてはいけない。現行法の「売春防止法」のように女性を処罰の対象とするのではなく、買春者と業者こそ罰する必要がある。日本では性売買が「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」で事実上合法化されており、女性の人権が蔑ろにされていること。性の商品化は女性に対する差別であり、人権侵害であることについて市民の一人ひとりが気づき、問題意識を広げていくことが必要だ。