

赤星家の猫たちは美形ぞろい
加藤 小町ちゃんも、とってもかわいいじゃないですか。赤星 でもコマちゃんはもっとかわいかった(笑)。
加藤 またそんなこと言って(笑)。さっきからずっとじゃれてるけど、若いからよく遊びますね。他のギョロちゃんとそら吉ちゃんはどこにいるんですか?
赤星 たぶん2階で寝てると思います。ちょっと連れてきましょうか。
(ギョロちゃん登場)
加藤 あらかわいい。あっ、このコ、パンツ猫だ! おなかの下の部分が逆三角形になってる。
赤星 パンツというかサイズからいうとスキャンティーかしら(笑)。
加藤 アハハハハ。
赤星 ギョロは夫に懐いていたんですが、コマちゃんが死んでから急に私にもべったり。抱っこしていると洋服をチュパチュパ吸って、びっしょりになるくらいなんですよ。
加藤 多頭飼育していると1匹いなくなると関係性が変わるんですよ。
赤星 うちではそれまでコマちゃんがトップの座に君臨してましたからね。
加藤 本当にチュパチュパしてますね。おっぱい飲んでるみたい(笑)。
赤星 そうなんです。元々チュパチュパする猫ではあったんですが、コマちゃんがいたころは遠慮してたのかなとも思います。
加藤 そういう時の猫の心理が気になります。やった! と思うのか、ごく自然に、今までできなかったことができるようになったと受け入れているだけなのか。
赤星 順番が来たと思ってるんじゃないでしょうかね。最初は、コマちゃんを失った私を慰めてくれているんだ、素晴らしいなと思っていたんですが、いや、これは順番で来てるだけじゃないかと。別に人間の心を斟酌(しんしゃく)してやってるわけじゃないんだと。
加藤 昔、うちで飼っていた猫が亡くなったので庭に埋めて、お皿にマグロを一切れお供えしていたんです。そこにその猫の息子猫がやって来てお墓の前でじっと佇んでいたので、母猫が亡くなったってことがわかるのか、さすがだなと思って少し目を離したら、マグロも息子猫もいなくなっていた。親の死を悼んだわけじゃなくて、食べたかっただけなのねって(笑)。
赤星 アハハハハ。
加藤 もう1匹のそら吉ちゃんは? 少し人見知りだそうなので、今日は出てきてくれないかしら。
赤星 呼びましょうか。うちはごはんの時に口笛を吹いて呼ぶんですよ(口笛の音に反応してそら吉ちゃん登場)。はい、このコがジャパニーズボブテイルのそら吉ちゃんです。ほら、しっぽがないでしょ。
加藤 わあ、ほんとだ。このコもきれいですね。赤星家の猫はみんな美形ですね。
赤星 みんな自慢の猫たちです。うちの猫たちは世界かわいい猫ランキングの1位から3位まで独占ですよ(笑)。まあ、コマちゃんは殿堂入りですけど。
加藤 はいはい(笑)。


ニオイもすっきり! 猫用品の洗い方を伝授
加藤 ところで、今日はぜひ聞いて帰りたいことがあるんです。赤星さんといえば、石けんの達人としても知られていますが、猫の身の回りの物を洗う時のおすすめってありますか? たとえば、猫ってよく吐きますよね。猫がカーペットや床に吐いた時には何で拭くのがいいですか?赤星 私はきちんと汚れを拭き取ってから、セスキ炭酸ソーダをスプレーして使っています。
加藤 ニオイも取れますか?
赤星 セスキはアルカリ性で、吐いた物には胃酸が含まれていますし、つんとしたニオイのするウンチなんかも酸性ですから、拭き取った後にセスキをかければ中和されてニオイが取れます。粗相(そそう)をした時は、オシッコのアンモニア臭、あれはアルカリ性なのでクエン酸を使うといいですよ。汚れを落とすだけならば水で洗い流せばいいんですが、ふんわり漂っているニオイを取るには、酸性のニオイの物にはアルカリ性のセスキ、アルカリ性のニオイの物にはクエン酸などの酸性をスプレーすればいいんです。
加藤 なるほど! それじゃあ、猫のトイレ容器を洗う時には?
赤星 トイレを洗うなら、石けんなど界面活性剤を使った方がきれいになります。
加藤 界面活性剤って合成のものですか?
赤星 皆さんそういうイメージなんだけど、界面活性剤って要は水と油という性質が違う物を混ぜ合わせるものなんです。たとえばマヨネーズ。酢と油は本来混ざらないものですが、卵黄が界面活性剤の働きをするから、混ざり合うことができる。界面活性剤でも天然の物はあるんですよ。
加藤 うちの猫は私のベッドで粗相をするんです。枕にニオイが染み込んでしまい、漂白すればニオイが取れると思ってしょっちゅう漂白したんですが、それでも繰り返しオシッコをしてしまうので、枕を捨てました。あれはニオイが取れていなかったのかもしれないですね。
赤星 そうかもしれないですね。合成洗剤は弱アルカリから弱酸性までいろいろな種類があるんですが、物に染み込む力が長く続くという厄介な性質もある。つまりニオイごと染み込んでしまい、逆にニオイが残ってしまうこともあります。猫の毛布とかベッドなど、布製品を洗う時は石けんがいいですよ。よく泡を立てて洗うと、ニオイもすっきり取れます。
加藤 赤星さんの本を読みましたが、泡を立てることが大事なんだそうですね。
赤星 そうです。固形石けんでも粉石けんでもいいのですが、泡を立てるっていうのは、洗剤をよく溶かすということです。