若い若いと言われるたびに、「お前には若さしか価値がない」と言われているようで、バカにされてる気がしたからだ。しかし、世の中では「若さこそが素晴らしい」っぽいことになってるようなので、「若いことはいいことなのだ」と無理やり思い込み、そのぶんだけ「加齢」に恐怖を感じたりもした。
だけど、その刷り込みはどこからきたのだろう。改めて考えて「若さは素晴らしい」という価値観を吹き込んだのは、主にオッサンだということに気がついた。
とにかく未熟で経験値が低く、無知であることを求める多くの日本のオッサン。「こんなお店初めて」「こんなの食べるの初めて」など、「こんなの初めて」系の言葉に鼻の下をのばすオッサンの機嫌を損ねないために、時には無知を装うことまで学習していた若かりし日。
この国の女性がそんな不毛な努力を続け、「若くなければ無価値」という暴力に晒される一方で、未熟ではなく「成熟」が、経験値の低さより「経験値の高さ」が、そして無知より「知性」こそが女性の魅力となるフランス。こうして比較すると、日本の多くの男性(主にオッサン)は、それほどに自分に自信がないのだろうかと心配になってくる。もちろん、そうでない日本の男性もたくさん知っているが。
ということで、アメリカの女性誌の「脱アンチエイジング宣言」から考えた女性の魅力についての国際比較。
ちなみに私は20代の頃より、今のほうがずっとずっと生きやすい。自意識過剰で何がしたいのかもわからなくて、自分のことが大嫌いでとっ散らかっていた若い頃よりも、42歳の今の自分のほうがよっほど好きだ。年を重ねることって、悪いことでもなんでもなくて、私にとってはいいことだらけだ。少なくとも、20代にだけは戻りたくない。
ということを、「若くない」女性たちがもっともっと発信していくべきなのだと、改めて思ったのだった。
次回は10月4日(水)の予定です。
必殺! 困った時のフランス人
(作家、活動家)
2017/09/06