かわいそうになったA子は、「1万円もらった」という高校生に、「あんた、友達でしょ? その1万円からこの子に3000円あげなよ」と勝手に分配を決め、高校生は言われた通りに友達に3000円を渡したという、いい話だかなんだかさっぱりわからない顛末を話してくれたのだった。
ちなみに話を聞いている間じゅう、私の頭に浮かんでいる男子高校生はホストっぽい髪型のチャラいイメージだったのだが、A子によると「丸坊主の高校球児みたいな感じ」とのことで、田舎からたまたま東京に来ている様子だったという。
修学旅行だろうか? それで東京に来るからママ活を思い立ったのだろうか? おこづかい稼ぎをしたかったのだろうか?
「東京の女はエロいらしいぞ」
「しかもママ活とか言って、金くれるらしいぞ」
おそらくそんな会話が坊主頭二人の間で交わされたのだろう。しかし、一人は1円ももらえなかった。
では実際、彼らを「買った」側の女性たち、「ママ活」をする女性たちは、どんな人たちなのだろう? そう思ってネットで「ママ活」と検索すると、「ママ活」にはマッチングアプリまであるようで、カジュアルに利用されているようである。
お茶をする、食事をする、デートをする、肉体関係を持つ。人によってやはり段階は様々なようだ。また、ママ活をする人々の理由として、夫が浮気してるから、という人もいれば、癒されたいという人もいる。セックスレスを理由にあげる人もいて、ママ活はごくごくありふれた不満や悩みがきっかけで始める人も多いようだ。
しかし、未成年との間に関係を持つことは、一歩間違えれば「逮捕」が待っている。例えば18年10月には、福岡県で31歳の女が15歳の男子高校生にわいせつな行為をした容疑で逮捕されている。また、17年10月には、高知で41歳の女がネットで知り合った男子高校生に自宅でみだらな行為をしたとして逮捕されている。
前者の容疑は県の青少年健全育成条例違反、後者は青少年保護育成条例違反で、ズバリ「淫行」だ。また、長野県で35歳の女性が中学生と性的行為におよんで逮捕されたケースでは、「児童買春」で逮捕されている。
いずれにしても、女で「淫行」「児童買春」で逮捕されるって、最悪のパターンだ。しかも実名報道されている人もいる。このようなことから見えてくるのは、「男性が自らの性を商品化する時代」は、「女性が加害者になる時代」でもあるということだ。
これまで、性犯罪において女性は「被害者」の側にいた。加害者には、ほとんどなりようがなかった。しかし、今はそうではないのだ。それなのに私たちは、「加害者にならないための教育」なんて一切受けていない。小さな頃からどうやったら「被害者にならないか」は教えられているものの、自らの加害性には恐ろしいほど無自覚だ。
冒頭で、「若い男を買う」なんて、オッサンの模倣だと書いた。しかし、加害者になる可能性まで考えなければならない今の女性たちは、どんどん「オッサン化」を余儀なくされているのかもしれない。自由恋愛だと思ってたら淫行で逮捕された。そんなオッサンを笑う女も同じ理由で逮捕される時代が、今、到来しつつある。
次回は2019年2月6日(水)の予定です。