そうして最近、あることを知った。
「行きすぎた勝利至上主義」が散見されるという理由から、今年度、柔道の小学生の全国大会のひとつが廃止になったのだという。指導者や保護者が過熱し、子どもを追い詰めてしまうことが問題視されたからだという(朝日新聞「(フォーラム)小学生のスポーツ全国大会」、20年5月22日)。
教育評論家・武田さち子さんの調査によると、未遂も含む指導死は、平成以降94件も起きているのだという(琉球新報「社説 男子高校生の自殺 再発防止へ具体策明示を」、21年2月16日)。
そうして2020年の子どもの自殺は過去最多の499人。もしかしたら、その中には表に出ていないだけで「行き過ぎた」指導が原因のひとつという死があったかもしれない。
子どもが子どもらしく、楽しんでスポーツができる世界。そして嫌なら、スポーツをしなくていい世界。
そういうのが、みんな安心できる世界だと、改めて思うのだ。