女子は、やはり合同で、体育館でのバドミントン。こちらはラリーが続くなど、慣れている様子で笑い声も聞かれ、和やかな雰囲気だ。
部活も見せていただいた。体育館では男子バスケ、バドミントンに卓球、校庭では陸上、サッカー、野球部が活動しており、それぞれが自分のペースで楽しんでいる。
文芸創作部や写真部などの文化部は、翌週の文化祭を目前に控え、作品作りに余念がない。描いている漫画を見せてもらったら、「すごいね」と思わず声が出た。才能を感じずにいられない。描くのが好きでたまらないといった笑顔がまぶしかった。
窓の外が暗闇でさえなければ、ここが全日制の高校だと言われてもうなずくだろう。目の前にいる生徒たちは、髪の毛を染めていたり、自由な服装ではあるけれど、街を歩いている高校生たちとなんら変わりはない。
文化祭に参加しよう!
川越工業定時制を訪ねたのは、もうすぐ文化祭という時期だった。新井教諭がこう話す。
「これまで定時制は文化祭に参加してこなかったのですが、去年から自分たちで作った物を売ろうと模擬店を出すことにしました。教員は結構大変ですが、すべては生徒のためですから」
これまで家庭でも学校でも疎外されてきた子どもたちだからこそ、晴れの舞台に立たせたい。達成感を知ってほしい。そんな 定時制教員たちの願いのもと、川越工業高校文化祭「工業祭」の幕は開いた。
(定時制のリアル2 生徒を社会に送り出すために~埼玉県立川越工業高校定時制〈後編〉へ続く)