穀物や果実などを発酵・蒸留して造られる酒は、各地の文化や気候風土、嗜好などを反映し、長い歴史の中で洗練されてきた。世界各国の代表的な蒸留酒・醸造酒・リキュール(混成酒)の原料や製造法、味・香りの特徴などを紹介する。(「イミダス2001年版」掲載)
フランス・ワイン
生産量では常にイタリアと首位を争うフランスのワインだが、質の高さでは他を圧倒する。法律で細かく規定されているうち、最上級の「AOC(原産地統制呼称)ワイン」には著名なボルドー、ブルゴーニュなどがある。数種のブドウをブレンドするボルドーに対し、ブルゴーニュは単一種のブドウで醸造されることが多い。
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イタリア・ワイン
古代ローマよりワイン造りが行われているイタリアだが、その生産量の8割を国内で消費し、残りの2割が輸出用。代表的なものにキャンティがある。トスカーナ地方に産する赤ワインで、フレッシュで軽い飲み口に人気がある。熟成タイプのクラシコは、瓶の首に黒い雄鳥のマークがあるのが協会で保証されたもの。
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ドイツ・ワイン
白ワインが主流のドイツ・ワインは、地域ではなくブドウの糖度によって区分される。リースリング種の上品な酸味を生かしたラインガウ、さわやかな甘みを持つラインヘッセン等はライン・ワインと総称され、茶色の瓶が特徴。対してモーゼル地方のワインは酸味の強いフレッシュな風味で、緑色の瓶が特徴。
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ポルトガル・ワイン
日本に最初にもたらされた洋酒はポルトガルのワインである。産地は北部を流れるドウロ川流域で、ワインの発酵中にブランデーを加えて造る甘口の酒は、港町ポルトから出荷されたのでポート・ワインと呼ばれる。その他、ポルトガル領マデイラ島産のマデイラ・ワイン、ロゼでは世界を代表するマテウス・ロゼがある。
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チリ・ワイン
良質なうえに安価で求められるので、近年日本でも人気が急上昇しているのがチリ・ワイン。もとは16世紀にスペイン人がブドウを持ち込んだのが始まり。気候風土や地形がブドウ栽培に適しており、欧州で大量発生した害虫の難も逃れ生産が拡大した。カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ等の品種から造るものが多い。
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