農家兼ミュージシャンのアンドウさんから誘ってもらい、網走へライブに出かけた。
10年以上前、アンドウさんには北見でライブを組んでもらったことがある。
その時の北見は、極寒。ライブがはねて飲みに出かけたが、飲み屋を出るとあまりの寒さに震えたのを覚えている。今回は仕事の関係で、6月か7月に来て欲しい、と連絡があった。7月の上旬、羽田から女満別空港へと向かった。
夏の空港はいつも旅情で溢れている
女満別空港に着くと、アンドウさんが待っていた。ライブの手伝いをしてくれるというYさんも一緒に。車に乗せてもらい、網走の街を目指す。
途中車窓の風景が、あまりにも北海道で、気持ちが少し浮き上がる。
街に着き、時間が少しあったので、喫茶店に入った。ここがのちに旅の重要な拠点になる。店内で2人の普段やっている仕事の話を聞く。色々な仕事があるなと思った。2人の仕事は街や暮らしには重要な仕事で、それに比べて自分の仕事はあってもなくてもまったく街には影響のないものだと思った。2人は、そんなことないですよ、と言ってくれたが、謙遜でもなく、ホントにあまり影響がないものなのだ。
アンドウさんが組んでくれた今回のライブの会場は、うどん屋さんだった。うどん屋でライブをやるのは初めてで、アンドウさんと共に、店主のankyさんが前座で出てくれた。ankyさんもうどん屋兼ミュージシャンだった。
会場で準備を終え、辺りを散歩していると、店の周りの草花に西陽が注いだ。あまりの美しさに、言葉は届かないようだった。

透き通っている、光を含んでいる
2人のオープニング演奏をステージ裏で聴き、自分の番。90分、歌った。お客さんは色々な街から集まってくれたようだった。網走を楽しんでくれたらありがたい。自分もいつか誰かのライブを見に、遠出をしてみたい。街も楽しみたいから、こういう場合はあまり長いライブではない方がよいのかもしれない。街6割、ライブ4割。夜の街への序章となるような、ライブを。今後は心がけたい。
いい時間になってしまったが、夜の街へ移動する。軽く打ち上げをし、スナックを探した。実は今回の網走行きで、目的の場所が1ヶ所あった。スナック「花束」。昔エッセイに書いたことがある店だ。エッセイ集『百年後』の巻頭、「雪の花束」。そこに行きたかったのだ。
4人で2軒目を探しながら、スナックビルのような建物に入った。そういうビルがいくつかあった。そこで、ちらっと「花束」の文字が見えた。あった。しかし電気はついていなかった。定休日なのか。とりあえず明日行けばいい、とその場を離れた。2軒目の居酒屋でだーだー偉そうなことを喋って、振り返ると恥ずかしい。大人しく歩いて宿へ戻り、眠った。