
頑張ってくれたママチャリと灯台
昔から観光地、景勝地というものが得意ではないのかもしれない。手持ちぶさたで、自転車を押しながら歩いていると、見たことのない植物の茂みの中で、生き物がざざっと動いた。身構えた。怖い、と一瞬思った。ようく見ることはできなかった。猫よりは大きな感じがした。ビクビクしながらその場を離れた。
さあ帰ろうと地図を広げる。同じ道で帰ってもつまらないので、別ルートの遠回りで帰ることにした。ここまで来るのにだいぶ疲れたし、ゆっくり来た道を帰ればいいのに、どうもこういうことをしてしまう習性がある。貧乏性なのだろう。ヘルメットを装着し、自転車を漕ぎ始めた。
まず両足を広げて、あーああーと下った坂道。これを上るところで、気持ちが沈んだ。周りを見渡す。景色がデカすぎる。車で走ると、いい景色だなあ、で流れる風景が、自転車だとデカすぎる。こちらがポツンと小さく、速度も遅いから、ずっとデカいままなのだ。その風景をバックに自撮りしたが、ツーリングをしたことのないただの疲れたおじさん。この先に何があるか、まったく分からない。ペダルを踏まないと進まないので、自転車をひたすらに漕ぎ続けた。
つづく