ありがたい。ほんとにありがたい。にれ。「にれビル」。にれの木か。中に入ると広い。けっこう混んでる。茶店は必要なんだよ。
しかしコーヒーがないとダメと言っておきながら、甘い甘いウィンナーコーヒー。おすすめ、と書いてあったのかもしれない。マダムたちはおしゃべり。中学生くらいの女の子とそのお母さんは2人でランチ。ヒゲ面の私はウィンナーコーヒー。
店を出て、歩く。しかし商店街は薄く、ポツポツ店はあるが、長くいられそうな感じはしない。みな車移動なのだ。商店街、という概念は通用しない。駅前にこういう喫茶店があっただけでも奇跡的なことなのかもしれない。
駅へ戻り、路線図を見る。岩見沢からたしかに苫小牧へ電車は行く。時間はかかりそうだが、これに乗ろう。で駅弁だ。駅の売店へ。釜飯が売っていた。岩見沢は釜飯が有名らしい。これを電車に乗りながら食べよう。ホームに戻る。そういえばホームに大きな馬の像があった。ソリを引いている。おそらくばんえい競馬だろう。かつて岩見沢にはばんえい競馬があったのだろう。いまは帯広にしかない。世界にたったひとつのばんえい競馬場。昔行ったことがある。早朝の調教を見学させてもらったが、冬の北海道の大地を大きな馬たちがソリを引いて走る姿はいまも覚えている。大きな体から白い湯気を出して、それが朝日に照らされオレンジ色に染まっていた。
車窓が好きだ。車窓から風景を見ているだけで飽きない。音楽を聴かなくても、見ているだけで愉しい。弁当や菓子パン、おにぎりなんかを食べながらだとなお愉しい。
今回は釜飯だ。釜飯を食べながら外を眺めた。しかし、窓ガラスが汚れていて風景がよく見えない。困った。ストレスが溜まってくる。どの窓ガラスも白く汚れている。これはもったいないと思った。観光列車でなくても窓は綺麗にしたら、旅の人は楽しいのではないか。旅の人でなくても。ただ事情があるのだろう。とやかく言うことでもない。釜飯に集中した。そして眠った。