【「性知識イミダス:男性のからだと性は『知らなくても生きていける』のか?」もあわせてご覧ください】
では、男性生殖器についても改めて確認してみよう。それぞれの器官のはたらき、位置と共に、女性生殖器との共通点や違いについてもみておきたい。男性はもちろん、女性が読んでも「そうだったんだ!」という発見があるはずだ。(監修・小堀善友医師〈泌尿器科医〉)
①精巣
睾丸(こうがん)とも。精子と男性ホルモン(テストステロン、アンドロゲン)がつくられる場所で、日本人男性の標準では長さ3〜5センチメートルの卵型をしており、容積は15〜25ミリリットル。女性の卵巣にあたる。男性の股間に左右一対あり、陰嚢に包まれている。左側の精巣が右側より下がっていることが多い。精子は思春期以降、生涯を通じて毎日作られる。できた精子は約75日かけて成熟し、精巣上体(副睾丸)を通過して精管へと送り出される。
②陰嚢(いんのう)
ふぐり、玉袋とも。精巣を包む袋。平滑筋のはたらきで、暑いときは伸び、寒いときには収縮するなど、精子をつくるために適切な、体温よりも約2℃低い温度(34〜35℃)を維持する。思春期以降は陰毛で覆われ、色は暗赤褐色となる。
③精巣上体(副睾丸)
左右の精巣の上部にひとつずつある、合わせて約6メートルのコイル状の微細な管の集まり。精巣でつくられた精子は精巣上体を通過して成熟し、精管へと至る。
④精管
精巣上体から伸びて精嚢と合体し、前立腺、⑤尿道へとつながる。精子は精管のぜんどう運動によって約2週間で外尿道口まで運ばれる。太さ、長さは1本のスパゲッティぐらいで直径約3ミリメートル、長さ約40〜60センチメートル。
⑥精嚢(せいのう)
前立腺の上方に左右一対あり、小指の先ぐらいの大きさの袋状の器官。思春期に男性ホルモンの分泌量が増えると発達、高齢になると縮小する。