私は小さい頃から殴られるなどの暴力を受けたり、暴言を吐かれたり、そういう環境の中で育ちました。怒られた時は食事を与えられず、一日じゅう外に立たされることもありました。テーブルの脚は折れ、ドアには穴が空いていました。
年齢が上がるにつれて親の管理が厳しくなっていき、高校生になっても現在地は常にGPSで監視され、リアルタイムで連絡が来たり、スマホの中身はLINEのメッセージのやり取りからInstagramなどのDM、写真の削除した項目まで全て見られていました。門限は6時で秒単位での遅れも許されず、いつも怒鳴られてばかりでした。「馬鹿がうつるから連絡を取るな」だとか「遊ぶな」だとか、仲のいい友だちと遊ぶことまで制限をされるようになっていました。
しかし小さい頃からずっとそんな環境に置かれていたので、中学に入るまで自分の家庭環境が異常であることに気づかず、どの家庭もそれが当たり前だと思って生活していました。中学に入り、周りに家の話をした時に「お前の親はやばい」とか、「暴力なんて振われたことない」と言われることが多くなり、親に対する嫌悪感や違和感を強く感じるようになりました。
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高校に入り、児童相談所に相談をしたところ保護されることになり、3カ月間をそこで過ごしました。ところが家に帰っても厳しい束縛は続き、結局なにも変わっていませんでした。「家を出てけ」だとか「保護所に戻れば?」と言われることも多くなり、精神的に辛くなった私は児童相談所に保護を求める相談をしました。3回ほど相談しましたが、「親が大丈夫って言ってるから」と訳のわからないことを言われて、いずれも家に帰されました。
その時私は、誰を頼ればいいのかわからなくなっていました。助けを求めても聞き入れてくれる人がいないのならば、自分でどうにかするしかない、そう思いました。
そして家にいることに限界を感じた私は、家出をして、Twitterで「ゲームとかして仲よくなりたい、泊まりに来ない?」と声をかけてくれた男性のところへ泊まりに行きました。そこで私は首を絞められレイプされ、あまりの恐怖に抵抗することができず同意のない性行為をさせられました。
きっとこのまま殺される、もう死ぬのだ、と思いました。もう2度とここから出ることはできないのではないかとも思いました。恐怖と同時に、なぜ自分がこんな目にあわなければならなかったのかわからず、怒りも感じました。
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私と同じように、家出をして性被害にあった女の子は少なからずいます。家にいるのが辛いというSOSが届かない、私はそれ自体が問題だと思います。
児童相談所は、コロナ禍でただでさえ虐待などの相談が多いために、ほとんどのことに手が回っていないのだと思います。だからこそColabo(コラボ)のように、児童相談所以外の場所でも助けを求められる、そして求めやすい場所がより必要になると思います。
私は今後そういった場所が増え、当たり前のように社会に存在し、誰もが気軽に相談できるような、そんな世の中になってほしいと思います。そうすれば私のような経験をしてしまう人を少しでも減らすことができるのではないでしょうか。
私は自分の経験を活かし、将来は問題を抱える全ての女の子が安心して過ごせる、Colaboのような場所を作りたいです。