江川 そうですか。私は留守にすることも多いので、猫が寂しがらないように飼うならまた2匹と思っています。でも、年齢が近かったタレとチビが相次いで逝ってしまったことを考えると、年齢は離れていた方がいいと思いました。
加藤 江川さんが新しい猫を迎えることがタレやチビにとっても供養になると思うので、ぜひまた猫を飼ってほしいです。
江川 そうですね。タレとチビが毛皮を着替えて早く降りてこないかな~と待っています。
加藤 きっと着替えている最中だと思いますよ。
江川 そうだといいですね。
◆一筆御礼 ~対談を終えて
前回、江川さんにお会いした時、私は、猫の習性と行動について質問責めにあいました。次つぎと繰り出される質問に必死に答えながら、「なんて論理的な人なんだろう」と思いました。でも今日は少しシットリした雰囲気でした。ほぼ20年間もそばにいた猫たちが消えた暮らしが、まだ受け入れられずにいるのかもしれないという気がしました。初めて飼った猫たちだったから、よけいにそう感じるのでしょう。
ぜひ、また猫を飼ってほしいと思います。新しい猫を飼うことは、亡くなった猫のことを忘れることには決してなりません。新しく家族になった猫と暮らすことで、チビとタレのことがより理解できると思うからです。チビとタレの個性が改めて見えてくるはずだと思うからです。そのとき、チビとタレが自分にとってどんな存在だったのかが明確になると思います。そしてそれは、新しい猫との付き合いをより豊かにもしてくれるはずです。「十猫十色」であることが、自分がかかわった、それぞれの猫への気持ちを確実に自分の中に根付かせてくれるのだと思っています。
撮影:橋詰かずえ *の写真は江川紹子さん提供