竹内 夏目漱石の諦観(ていかん)みたいなもんですかね~。
加藤 人間、猫を飼っていると心が広くなるってことですね。
竹内 そうだと思います(笑)。
◆一筆御礼 ~対談を終えて
高エネルギー物理学を専攻した竹内さんは猫の魅力をどんな言葉で語るのだろうか、私はその話に付いていけるのだろうかという期待と不安を抱えながら対談に臨んだのですが、「そういう時、猫は諦めるんじゃないですかね」という科学者らしからぬ言葉が何度も出てきて、ちょっと驚き。「諦める」も科学なの? 「諦める」を物理学的に解釈するとどうなるのだろう? と思いながら竹内家のシュレ猫達を見ていたら、ゾロりんちゃんがあいさつをしにやってきてくれました。しっぽを立てて去っていくゾロりんちゃんの後ろ姿、黒毛の中にピンク色のお尻の穴がクッキリと浮かび、その物理的な美しさに思わず見とれてしまったのでした。私が理解できる物理学はお尻の穴のコントラストだったようです。物理にもいろいろあるのね、と思った次第。これもシュレ猫の二面性のうちなのかも?
撮影:橋詰かずえ