次号の特集テーマは、作家の山内マリコさんと柚木麻子さんが責任編集の「We Love 田嶋陽子!」です。
雨宮 それはすごい!
松尾 90年代に、「フェミニスト」としてテレビの討論番組などに出た田嶋さんが、「オヤジ」たちに嘲笑されているのを見て、観ていた私たちもまた自尊心を傷つけられていたと思うんですね。フェミニストってこういう目に遭うんだ、笑われるんだ、ならばそうじゃなくて、阿川佐和子さん的にオヤジを「まあまあ」って手のひらの上で転がしながら生きていくのが、取るべき賢い方法だと思わされていた気がします。だから、田嶋さんをリスペクトすることによって、あの時代の私たちをもまたリスペクトしたいというのが狙いなんです。そのほかに、痴漢問題を扱った研究書や、翻訳小説も準備中です。
雨宮 素晴らしい。フラワーデモも続けていく予定ですか。
松尾 被害の実態に合った判決が下されるような法改正 (性暴力被害の当事者団体からは、レイプが犯罪として認定されるには、被害者が性交に同意していないだけでなく「暴行または脅迫」によって抵抗できなかったことを証明しなければならないという「暴行脅迫要件」の削除などを求める声が上がっている)がなされるまでは……と言いたいところですけど、とりあえず1年は続けようと思っています。基本的には毎月11日、冬は屋内でやるとか、あまり無理しない形でやっていきたいな、と。雨宮さんも、これからもフェミニズムにかかわっていかれますよね。
雨宮 かかわるというか、自分の問題だからかかわらざるを得ないですよね。ジェンダーやフェミニズムをテーマに書いた時の読者からの反応の熱さも実感しているし、今後もどんどん発信していきたいと思っています。
次回は9月4日(水)の予定です。