2011年3月11日から9年。震災直後からあまりにさまざまなことがありました。記憶が色あせてしまわないように、イミダス過去記事からのセレクトと、福島の「いま」がわかる連載をまとめてお届けします。
◆「震災復興に取り組めない福島の実情 公共事業よりも生活の保障が求められている」(2011)/今井照(福島大学行政政策学類教授)
震災から5カ月後、福島県の各自治体はどうなっていたのか。不測の事態が次々と起こり、およそ復旧・復興からはほど遠い現実がありました。
◆「大震災後、なぜ円高になったのか 円の不安定化、今後は円安に警戒」(2011)/神谷秀樹(ロバーツ・ミタニLLC創業者兼マネージング・ディレクター)
震災直後、金融市場が一気に不安定化。2011年3月17日には円高が過去最高を更新し、一時1ドル76円台まで買い上げられました。災害と相場の関係性についての分析です。
◆「被災者はなぜ幽霊を見る? 震災後の東北地方で増える心霊相談」(2015)/高橋原(東北大学実践宗教学寄附講座准教授)
震災から4年が経ち、復興が少しずつ進められていく中、「大勢の死者の姿が海の中にいるのが橋の上から見えた」「足から下だけの人影が道路を渡っていた」といったうわさが広がるようになりました。幽霊譚の背後に何があるのか、宗教心理学の見地から読み解きます。
◆「生業訴訟が闘い取ろうとするもの 日本社会は福島の労苦を意義あるものにできるのか?」(2016)/白井聡(政治学者、京都精華大学人文学部専任講師)
2013年3月11日に始まった「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟。800人の原告と、彼らを支持する弁護士団が、東京電力と国を相手どって提訴し、事故による放射能汚染のない状況に戻すことと、もとに戻るまでの慰謝料を求めて立ち上がりました。その意義を解説します。
◆連載「『復興五輪』の現場から」/三浦英之(新聞記者、ルポライター)
2020年東京オリンピック・パラリンピック開幕までの1年間。福島の原発被災地に住み込んで取材を続ける朝日新聞記者でルポライターの三浦英之さんが、「復興五輪」を迎える福島に生きる人々を描きます。