思えば、全くその通りですね。つくづく、そう思いました。安全保障関連法案を、何が何でも成立させようとする。そのためには、聞く耳を全く持たない。目あれど、焦点が全く定まらない。口を開けば飛び出すのはヤジばかり。こうしたとんでもない振る舞いの数々が、日本の民主主義に火をつけたのです。そのあまりにも理不尽な傍若無人が、民主主義の主役たちをとことん怒らせてしまったのです。
そのおかげで、人々は立ち上がり、声を上げています。立ち上がり、声を上げた人々の顔触れは、実に多様になりました。これは、もはやちょっとしたグローバル時代の市民革命です。最も今日的な市民革命。それが今、日本で進行中なのだと言えると思います。それもこれも、実を言えば、安倍総理大臣のおかげ様。こうなったら、せいぜい、更に一段と民主主義を貫徹することで、我々は彼にたっぷり恩返しをしなければいけませんよね。
筆者は、かねがね、グローバル時代は市民たちの時代だと考えてきました。グローバル資本主義ならぬグローバル市民主義の時代です。「しほん」と「しみん」は、こうして平仮名で書けばほんの一字違いですが、この二つの言葉が意味するところの違いは、実に大きいですね。国境無き地球時代においては、国境を越えて、民主主義の主役である市民たちが声を上げる。そして今、この連帯の中心に日本の市民たちが躍り出た。そのように思います。
ところで、民主主義は何も政治だけのテーマではありません。経済の世界こそ、民主主義的でなければならないのです。なぜなら、経済活動においてこそ、人が主役だからです。
民が主。それが経済活動の真っ当な在り方です。経済活動がこの真っ当な在り方から外れていかないようにするために、労働法制があり、最低賃金が保障されていたりするのです。人間が人間らしく生きるための糧となる。そこにこそ、経済活動の存在価値が生まれるのです。
この辺のところについても、思えば、かのアベノミクスすなわちアホノミクスが我々に改めて認識を深めさせてくれましたね。民が主の経済活動との関わりで、これだけはやってはいけないと思われること。アホノミクスは、それらをどんどんやろうとしてきた。この方向感の狂い方を目の当たりにすることで、本来目指すべき方向がとてもよく見えてきました。かくのごとく、反面教師の価値は大きいのです。ありがとう。