有為転変
(ういてんぺん)
この世の現象は因縁によってできたものだから一定ではなく、常に変化をし続けているという意味の仏教で用いる言葉。世の中は移り変わりやすく、はかないものであるということ。「有為」は、さまざまな因縁によって生じて、移り変わるのを常とするこの世の現実のこと。いろは歌にも「有為の奥山」と読み込まれている。「転変」は、移り変わること、一定でなく変化するという意味。「ういてんべん」とも読む。
「有為転変の世の習い」という成句で用いられることも多く、『太平記(たいへいき)―三十六』に、「有為転変の世の習ひ、今に始めぬ事なれ共」とある。
〔例〕「有為転変の世というけれど、あんなに大きな会社が倒産するとは思いもしなかった」とか、「人生の有為転変について思いめぐらす年齢になりました」などと使ったりする。
〔類〕有為無常(ういむじょう)
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邯鄲の夢
(かんたんのゆめ)
人の世の浮き沈みは、まことにはかないものであるというたとえ。むかし盧生(ろせい)という貧乏な書生が、趙(ちよう)の都・邯鄲で栄耀(えいよう)栄華が意のままになるという枕(まくら)を仙人(せんにん)から借り受け、うたた寝をした。このあいだに、50年余の栄華の思いを遂げることができたが、夢が覚めると、炊(た)きかけの粟(あわ)もまだ煮えておらず、自分は相も変わらぬ貧乏書生であったという、李泌(りひつ)の物語にもとづく説話。
〔類〕一炊の夢/邯鄲夢の枕/盧生の夢
〔出〕李泌(りひつ)・枕中記(ちんちゅうき)
〔会〕「あいつ、株の大暴落で大損したってさ」「いや、ちょっと前までは財テクの達人なんていわれて豪勢な暮らしをしていたけど、今じゃ借金だらけ」「いやあ、邯鄲(かんたん)の夢だね」
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風雲急を告げる
(ふううんきゅうをつげる)
世の中が今にも大きく変動しそうな不穏な状態である。「風雲急を告げる両国の国境地帯を駆け足で取材してきました」
〔語源〕風と雲の動きに嵐(あらし)になるような気配があるの意から。
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